■8日目-6■
「・・・だから、そう聞いたって言ってんだろ。」
ユオは呟いて、暁音から目を逸らした。「・・・てか、過去形になってんだけど。」と小さく文句を言った。
「それはさぁ、だって記憶がないし。【元々辿った未来】の私はユオが好きだったんだろうなって。でも、この未来は消えたと思うし、私個人としては・・・私にとっては過去と言うことにになるよね?私はユオを好きだったけど、その記憶を忘れている。って考え方であってるよね。」
「・・・知らねぇ。」
ユオは少し不服そうな顔をしてガシガシと頭を掻いた。
「【元々辿った未来】の記憶、か。じゃ、今のあんたは・・・いや、やっぱいい。」
そう言って暁音に背を向けて歩き出した。
「どこ行くのー。」
暁音の呑気な声にユオは一度足を止め、「任務!」と振り返らずに答えた。
「・・・昼飯買ったのに食いそびれた。保管庫に入れてるから食ってろ。」
そう言ってまた歩き出した。
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保管庫をよく調べるとサンドイッチのパックが入っていた。
「いつ買ったんだろ。買い出しの時か・・・気づかなかったな。」
手分けして買い物したタイミングにでも買ったのだろう、と暁音は思った。
(・・・量が多いな。)
とりあえず食べれるだけ食べようと思い、パックごと食堂のテーブルに持って行くことにした。
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食堂でサンドイッチを食べていると、廊下からタルデの声が聞こえてきた。何か言い争っているようだった。
暁音は声のする方へ向かってみることにした。玄関近くの廊下でタルデとシエロが何か話していた。
「理由を聞いてるだけだろ。なんか言いにくいことでもあんのかよ。」
「だから、何もないって言ってるんだけど。」
暁音が二人の前に顔を出すと、シエロが口を噤んだ。その表情の変化に気づいて、タルデも振り向いた。
「・・・なんだ、暁音か。」
タルデは少し気が抜けたような表情をして言い、そのまま暁音の方を向いて続けた。
「暁音も聞いてくれよ、こいつがさ、」
タルデがそこまで言うと、シエロはサッと身を翻して、そのまま玄関から出て行ってしまった。
「あ、おい・・・」
タルデはシエロを追いかけるか、暁音に話すか一瞬迷った様だった。そしてどうせシエロを追いかけても今は話して貰えない可能性が高いと判断したのか、暁音の方に向き直った。
「はぁ・・・。とりあえず、昼飯でも食いながらで良いから、少し話せるか?」
タルデはため息をつきつつ、暁音に言った。




