■8日目-5■
「は。」
暁音は目が点になっていた。そんな暁音を見て、ユオは自分の発言が急に恥ずかしくなったらしい。
「いや、『は。』じゃねぇだろ!言っただろ!先週!」
ユオは顔を真っ赤にして焦っていた。
「急に!買い出し中に!覚えてねぇのかよ!」
「え。・・・あぁ、言ったね。そういえば。」
暁音が言うと、「そういえば!?」とユオは暁音の発言を繰り返した。
「・・・・・・。」
ユオは信じられないとでも言いそうな顔で暁音を見ていた。そして大袈裟にため息をついた。
「・・・いや、もう良い。もう良い。・・・アホ。」
暁音をアホ呼ばわりし、廊下を歩き出した。
(アホって言われた・・・。)
暁音はユオの後を追いかけながら、先週のことを思い出していた。確かに、先週『ユオが好きだ。』と言うセリフを吐いた。好きだと思ったことはないのに。・・・いや、本当になかったっけ。確か、そうだっけ?と思うと同時に、そうだった、と思った気がする。
そしてあの日の夜から【このままいけば辿り着く未来】を見るようになったはずだ。つまりあの日のどこかのタイミングにタイムリープしてきたはずで。
5日目に見た夢を思い出す。ユオが死んで、馬鹿みたいに後悔してるだけの自分。思い出すのもなんだか腹立つけれど・・・。あれが多分、最後の【元々辿った未来】の夢だ。つまり今ここにいる私の過去でもあるはずだ。と暁音は思った。
暁音の中でパズルのピースのようなものがカチ、と嵌った気がした。
くっ、と小さく笑いが漏れた。
(つまり、【元々辿った未来】での私は、ユオが好きだったわけだ。言わない間に相手が死んで、後悔して、タイムリープで戻ってきて、そして告白。・・・本当にアホなのでは。)
もちろん、それだけが目的で戻ってきたわけではないだろうけれど。シエロが操られる未来とユオが死ぬ未来を変えるのが第一の目的ではあるだろう。それにしても、もう少しタイミングとか考えて欲しい。
「何、笑ってんだよ。」
ユオは自分が笑われていると思ったらしい。暁音を睨みつけた。悔しそうな顔をしていた。
「おい。笑うな。あんたが・・・」
ユオがまた顔を赤くして抗議するのを遮り、暁音が言葉を重ねた。
「うん。そうだね。私はユオが好きだったみたいだ。」
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