■8日目-4■
「一番特別って、・・・つまりなんだよ。」
そう聞きつつも、一つ【一番特別】について思いついたらしく、ユオはバツの悪そうな顔をして暁音から目を逸らした。
「さぁ。・・・一番頼りにするとか?」
「・・・一番頼りに?」
暁音がとりあえず無難な見解を伝えると、ユオは納得してない表情で暁音の言葉を繰り返した。
「一番頼れるのはスタラだろ。一番強いんだから。」
そう言って少し考えていた。そして小さくため息をついた。
「まぁ、いい。・・・とりあえず、カルマにも報告。あいつの方が判断力も分析力もあんたや・・・俺よりも、上だし。」
ユオはそのまま暁音を追い越して歩いて行った。
追い越すときに暁音が持っている荷物をチラッと見て、一瞬手がその荷物を引き取りそうになったが、自分で気付いて手を引っ込めた。
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宿舎に戻って、食材を保管庫に入れ、カルマの部屋へと向かった。
昨夜の【このままいけば辿り着く未来】の夢について、カルマに共有した。
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・6日目の夢。談話室。シエロは「1番になりたい、特別な存在になりたい。」と言った。もしかしたら【元々辿った未来】から分岐したかもしれない。
・7日目の夢。談話室。シエロは「特別な存在である異世界人の一番特別」でも良いかもと言った。
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カルマはメモを無表情で見ていた。机をトントンと指先で叩いきながら、6日目と7日目の部分を見比べていた。
「お前に自分のことを話す未来と、更に親密になった場合の未来・・・か?」
「うん。このまま仲良くなった場合に辿り着く未来かなって思うけど。」
暁音が答えると、カルマはメモから顔を上げて、暁音を見た。
「7日目。つまり昨夜の夢の返答次第では解決するかもしれないな。6日目の望みよりも簡単に叶えられる。そうすればシエロの精神も安定し、術者に目をつけられることもない・・・という可能性が高い。術の特定は現時点の夢から特定するのが困難だが、お前の返答ひとつで安全な未来に辿り着けるなら・・・。」
そこまで言って、カルマはユオをチラッと見た。ユオは何か考えているようだった。また暁音に目線を戻す。
「で、お前はどうする。この未来を選んで、シエロを【一番特別】にするのか?」
「え?まぁ・・・一番・・・ね。それで解決するなら・・・?」
暁音は曖昧に答えた。そもそもまだ暁音の中で答えが出ていなかった。【一番特別】の定義がまだ定まっていない。この未来のシエロがどういう意味で言ったのかも分からない。
暁音の考えがまとまっていないのを見て、カルマは小さく首を振った。
「この未来が冬の話なら、まだ今すぐ決めることではない。・・・少し考えると良い。」
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カルマの部屋から出て、暁音とユオは二人で廊下を歩いた。日が高くなっている。もう昼になっていた。
「・・・いや、ダメだろ。」
黙って何か考えながら歩いていたユオが、急にはっきりとした口調で言った。
暁音が少し驚いてユオを見ると、ユオは不機嫌そうな顔をして暁音を睨んでいた。
「あんたが好きなのは俺だろ。・・・前に、そう聞いた。」
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