■7日目-2■
朝食後、カルマの部屋に向かった。
ノックをしてしばらくすると、カルマが出てきた。
カルマが暁音とユオを見た。
「・・・何か分かったのか。とりあえず中に入れ。」
暁音とユオはカルマの部屋に入った。
机には沢山の精神魔法や人を操る魔術の本や資料が重なっていた。
暁音は【このままいけば辿り着く未来】の夢が、今までの【元々辿った未来】の夢から変わった可能性が高いことをカルマに伝えた。
暁音の説明を聞きながら、カルマはメモの6日目の部分を読んでいた。
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・6日目の夢。談話室。シエロは「1番になりたい、特別な存在になりたい。」と言った。もしかしたら【元々辿った未来】から分岐したかもしれない。
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「・・・・会話の内容から、お前の言うとおり未来がズレた可能性は高いな。」
カルマは慎重に考えながら言った。
「しかし、シエロの思考が気になる。精神が安定しているとは言い難い。」
そしてしばらく黙った。
「これは術者に操られる前の時期で未来が分岐した。この時期にシエロがお前に相談してくる・・・そんな未来に変更されたのではないか?」
「・・・そうか・・・そうなのかも。」
暁音との夜の屋上での会話があったことで、シエロが暁音に打ち明けてくれる未来に変更された可能性はあるのかもしれない。
カルマの意見には納得できた。
「ってことは、あの未来の場面で私が上手く何か言えれば・・・」
そこまで言って思考が止まった。何にも言える気がしなかった。
シエロは魔法使いとして2番目の実力を持っている。しかもまだかなり若い。
それで何を思い悩むと言うのか。暁音には理解できなかった。
「2位で良いじゃん。」「充分すごいよ。」
そんな言葉しか出てくる気がしない。気の利いたセリフを言う自分が全く想像できなかった。少なくとも、シエロの心に届きそうなセリフが言えるとは思えない。
そもそも暁音は「1番になりたい」なんて思ったことがないのだ。
「自分なりに努力して、自分の中で合格点出せれば良いし、自分が納得しているかどうかが大事」と考えるタイプだった。むしろ1番になったりしたら、他の人にライバル視されたりして大変そうだとすら思った。
「・・・いや、この未来のシエロも精神が安定しているとは言い難い。未来のお前の回答次第ではまだ危険かもしれない。」
カルマはそう言って、暁音を見た。
「この未来に辿り着く前の、今この時期でやれることもあるかもしれない。引き続きシエロのことは見ておけ。」
「それは・・・もちろん、そのつもりだよ。」
暁音は屋上でのシエロとの会話を思い出していた。「時々夢を叶える自分を見ている気がする。」と言っていた。
それは「1番になり、特別な存在になった」夢なのだろうか。それをどこでみているのだろうか。
・・・やはり夢の中で見たのだろうか?
暁音はユオを見た。ユオは何だか難しい顔をしていた。
「なんか、難しいこと考えてるんだな、あいつ。」
ユオが呟いた。
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