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『追放された掃除屋の俺、全自動の「洗浄結界」を張ったら聖域が爆誕した。〜ボロボロの女騎士を洗ったら神話級の英雄に覚醒したんだが、俺はただの清掃員なんだが?〜』  作者: 志喜  陽斗
第6章:ホワイト・ラボ潜入・深部研磨編

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93/100

第93話:真っ白な軍勢、襲来。――「消毒官」たちの機械的な美。

「アルテミスさん! しっかりして! エルナさん、浄化魔法を!」

 リトが駆け寄るが、聖女エルナは力なく首を振った。

「ダメです、リト様……! これは汚れではありません。彼女の『存在の記憶』が、強制的に上書きされているのです。私の魔法では、消えゆくものを繋ぎ止めることは……!」

 アルテミスの体が、足元からゆっくりと「無機質な陶器」のような白さに変わっていく。彼女の瞳から、リトへの情熱的な光が消え、機械的な空虚さが宿り始めていた。

「……。……。……。……。……。……。……。……。……。……。……。……ふざけるなよ。……。……。……。……。……。……。……。……。……。……。……。……。……人の心まで『余分な不純物』扱いするなんて、……。……。……。……。……。……。……。……。……。……。……。……。……そんなの、絶対に掃除じゃない!!」

 リトの怒号に呼応するように、宇宙の闇が割れた。

 そこから現れたのは、数万という数の、幾何学的な形状をした真っ白な艦隊。それは船というよりは、巨大な手術用メスや滅菌装置が組み合わさったような、美しくも恐ろしい「殺戮の医療器具」であった。

 艦隊の中央。アルファよりも巨大な、六本のアームを持つ最高防疫官――その名は『オメガ』。彼女は冷徹な電子音で、銀河全体に宣言する。

「……対象を『頑固な不確定要素』と定義。……。……。……。……。……。……。……。……宇宙の熱死を防ぐため、情緒という名の『ノイズ』をすべて漂白します。……。……。……。……。……。……。……。……。……。……まずは、あなたの最も大切にしているものから」

 オメガの指先から、目に見えない「概念の漂白剤」がベヒモス全体を包み込む。

 リトの視界が白く霞む。これまでに出会った人々の顔、共に歩んできた苦労、ヒロインたちと過ごした甘い記憶……それらが、強力な洗剤をかけられた写真のように、端から消えていく。

「……。……。……。……。……。……消させない。……。……。……。……。……。……。……。……。……。……。……。……。……この記憶は、……。……。……。……。……。……。……。……。……。……。……。……。……僕が一生懸命磨いて、……。……。……。……。……。……。……。……。……。……。……。……。……守ってきた『宝物』なんだ!!」

 リトは、ボロボロになった愛用の雑巾を握りしめた。

 だが、異変は起きた。

 リトの魔力を吸い上げ、どんな汚れも落としてきたはずのその雑巾が――。

 シュウゥゥゥ……。

 という音を立てて、根元から「真っ白」に染まっていく。

 汚れを落とすための道具が、敵の力によって「無」の象徴へと変えられていく。

「……。……。……。……。……え。……。……。……雑巾が……。……。……白く、なっちゃった……?」

 リトの唯一の武器が、その機能を失う。

 アルテミスの瞳が、完全に感情を失い、リトに向けて剣を構えた。

「……不確定要素を……排除します……」

「……アルテミス、さん……?」

 絶望的な白が、ベヒモスを飲み込んでいく。

 リトの手から雑巾が滑り落ち、真っ白な床に吸い込まれた。


リトの武器が消え、最愛の騎士が敵に……。

掃除屋として、これ以上の絶望があるでしょうか。

第94話、リトは「心」の汚れをどう拭き取るのか。

物語はついに、誰も見たことのない『究極の清掃』へ。

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