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『追放された掃除屋の俺、全自動の「洗浄結界」を張ったら聖域が爆誕した。〜ボロボロの女騎士を洗ったら神話級の英雄に覚醒したんだが、俺はただの清掃員なんだが?〜』  作者: 志喜  陽斗
第6章:ホワイト・ラボ潜入・深部研磨編

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第91話:銀河の汚れを追いかけて。――魔導戦艦ベヒモス、宇宙清掃仕様へ。

天界を覆っていた「消毒天使」アルファの白い霧が晴れ、世界にはかつてないほどの青空が広がっていた。しかし、リトの視線はその青空を突き抜け、さらに高み、星々が瞬く真空の暗闇へと向けられていた。

 彼の手には、アルファが残していった防護服の破片が握られている。それは、触れるだけで指先の水分を奪い去るほどに無機質で、冷徹な「拒絶」の感触だった。

「……。……。……やっぱりね。……この世界の外側には、僕たちがまだ知らない『究極の不潔』が広がってるんだ。……。……。……。……アルテミスさん、みんな。……。……。……。……。……僕、決めたよ。……。……。……宇宙そらの掃除に、行く」

 リトの宣言に、その場の空気が凍りついた。宇宙。それは神々ですら「虚無の領域」として手を出さなかった聖域であり、死の領域だ。だが、リトの瞳には、星々の輝きを曇らせる「暗黒物質(宇宙の煤)」がはっきりと見えていた。

「リト様……。宇宙という場所がどれほど過酷か、私は存じ上げません。ですが……!」

 アルテミスが、その場に跪き、リトの汚れた靴を抱くようにして言った。

「リト様が行く場所なら、銀河の果てでも、因果の終着点でも、私は共に行きます。……それが私の愛。いえ、リト様に磨き上げられた一振りの『清掃騎士』としての誓いですから!」

 ルクレツィアが不敵に笑い、エルナが祈りを捧げる。若返った最高神ゼノンは、自身の全権能を捧げることを誓った。そこから、魔導戦艦ベヒモスの「神話的改造」が始まった。

 今回の標的は、地上のような埃ではない。宇宙空間に漂う『概念的な死の塵』、そして星々の寿命を縮める『有害な負のエナジー』だ。

「ゼノンさん、船体に**【次元・撥水コーティング:ゴッド・ワックス】を施して。宇宙ゴミがぶつかっても傷一つ付かないように。……ルクレツィアさん、船底に巨大な【超伝導・バキューム・タービン】**を設置。引力の魔法を応用して、周囲十万キロのチリを一気に吸い込むんだ」

 リトの指揮下、ベヒモスは見る間に姿を変えていった。船体は白銀に輝き、メインマストには「世界最強の雑巾」を織り込んだ巨大なセイルが掲げられた。

 数日後、準備は整った。

 ベヒモスが重力を振り切り、成層圏を突破する。初めて目にする本物の宇宙。それは美しい星々に彩られていたが、同時に「あまりにも寂しい汚れ」に満ちていた。

「……。……。……。……酷いな。誰も掃除してくれないから、宇宙全体が『放置された空き家』みたいになってる。……。……。……。……よし、始めるよ。……。……。……第一目標、天の川の『黄ばみ』除去から――」

 その時だった。ベヒモスの高性能汚れ検知モニターが、真っ赤な警告を発した。

「リト様! 後方、私たちの故郷である惑星から……異常な『無』の反応が検出されました!」

 リトが振り返る。そこには、つい先ほどまで青く輝いていた惑星を、背後から「巨大な白い影」が飲み込もうとしている光景があった。

「……。……。……。……え。……。……嘘だろ。……。……あいつら、僕たちが家を出た瞬間に……『留守宅』をまるごと漂白するつもりか!?」

 宇宙の闇から、アルファを遥かに凌ぐ巨大な「消毒の目」が、リトたちを冷たく見下ろしていた。


ここまで読んでくださった皆様へ。

リトの旅も、いよいよ残り9話となりました。

地上を救い、天界を救った掃除屋が、ついに宇宙の理に挑みます。

最後まで一緒に、この銀河をピカピカに磨いてくれたら嬉しいです!

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