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『追放された掃除屋の俺、全自動の「洗浄結界」を張ったら聖域が爆誕した。〜ボロボロの女騎士を洗ったら神話級の英雄に覚醒したんだが、俺はただの清掃員なんだが?〜』  作者: 志喜  陽斗
第5章:世界のシミ・根源的洗浄編

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87/100

第87話:宇宙規模の「キュッ!」。――「根源の汚物」は、純白の精霊へ。

 漬け置き三日目。

 次元の洗濯袋の中を満たしていた黒いヘドロは、リトの酵素によって完全に分解され、サラサラとした灰色の水へと変わっていた。中央に鎮座していた「根源の汚物」も、その巨大な質量を失い、今は直径百メートルほどの「巨大なスポンジ状の塊」へと縮小している。

「よし。……浸透は完璧だ。……。……。……みんな、最後の仕上げだよ。……。……。……アルテミスさんは『高圧聖水』で濯ぎを。……。……ルクレツィアさんは、浮き出た汚れを一箇所に固めてパージ。……。……僕は、こいつの『芯』を磨く」

 リトは、ベヒモスの格納庫から、最後にして最大の清掃具を起動させた。

 それは、次元の鉱石を微細に粉砕して作られた、超微細構造の『コズミック・メラミンスポンジ』。

「【清掃奥義:万物・完全・研磨ユニバーサル・ブライト】!!」

 リトは自らベヒモスの外へ飛び出し、魔力で巨大化したメラミンスポンジを抱えて、汚物の「芯」へと肉薄した。

 アルテミスが放つ、銀河の果てまで届くような高圧の濯ぎ水。ルクレツィアが操る、汚れを吸着する漆黒の磁場。その連携の中で、リトのスポンジが、汚物の表面に残った最後の一層――「神への未練」という名の、最も頑固なシミを捉えた。

 ギャリギャリギャリギャリ……ッ!!

 精神の奥底まで響くような、激しい研磨音。

 リトは、数万年分の「重み」を全身で受け止めながら、ひたすらに、ただひたすらに擦り続けた。

 一往復ごとに、黒ずみが消え、その下から「原初の光」が溢れ出す。

「……。……。……見えてきた。……。……君の、本当の姿が……!」

 リトが最後の一擦りを終え、スポンジを離した瞬間。

 キュッ!!!

 世界中のすべての耳に、あまりにも心地よい、そして清らかな「清潔の音」が響き渡った。

 その直後、巨大なスポンジ状の塊は弾けるように崩壊し、中から現れたのは――。

 それは、禍々しい汚物でも、巨大な魔物でもなかった。

 数千、数万という数の、手のひらサイズの「真っ白でフワフワした精霊たち」だった。

 彼らはかつて神々に捨てられた「可能性」の欠片たち。不潔な泥に包まれて怨念と化していた彼らが、リトによって洗われたことで、本来の「純粋な精霊」として再誕したのである。

「……。……。……。……アリガトウ……。……。……体ガ……軽イ……。……。……リト……。……。……」

 精霊たちが、リトの周りを楽しげに飛び回り、天界全体を白い光で満たしていく。

 その光が触れる場所、天界のひび割れた床は修復され、枯れていた花々は見たこともない大輪を咲かせ、神々ですら成し得なかった「真の楽園」が、そこに完成した。

「……。……。……やったね。……。……これで、この世界の『宿便』は全部出し切ったよ」

 リトは、ボロボロになったスポンジを虚無のゴミ箱へ投げ捨て、満足げに微笑んだ。

 だが、その瞬間。

 天界の空、そのさらに「外側」の宇宙から、これまでとは全く質の異なる、不気味で冷たい「薬品のような臭い」が漂ってきた。

「……。……。……。……え。……何、この『塩素』みたいな臭い……。……。……。……まさか、別の誰かが……世界を『消毒(消去)』しようとしてるのか?」

 リトの掃除は、ついにこの世界の「外」にいる、さらなる掃除屋(?)の存在を感知してしまった。

 物語は、世界救済を越えた「宇宙規模の清掃戦争」へと足を踏み入れる。


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