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『追放された掃除屋の俺、全自動の「洗浄結界」を張ったら聖域が爆誕した。〜ボロボロの女騎士を洗ったら神話級の英雄に覚醒したんだが、俺はただの清掃員なんだが?〜』  作者: 志喜  陽斗
第5章:世界のシミ・根源的洗浄編

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第82話:最高神、驚きの「若返り」。――「リト様、私を弟子にしてください!」。

天界の玉座、そこに鎮座していたはずの「最高神ゼノン」は、今やリトが振るうダイヤモンド・デッキブラシの猛攻の前に、文字通り「一皮剥かれ」ようとしていた。

 バリバリと音を立てて砕け散るのは、数万年分の権威と怠慢が凝固した、漆黒の魔力垢だ。それは一度剥がれ始めると、まるで長年放置したシールの糊が剥がれるように、芋づる式にゼノンの全身から剥離していく。

「あ、あああああ……っ! 寒い、寒いぞ! 私を優しく守っていた、あの心地よいドロドロが消えていく! なんだ、この……肌を刺すような清涼感は……!?」

「それはね、ゼノンさん。君が数万年ぶりに感じる『外気』だよ。……。……いいから、じっとしてて。君の脇の下に溜まった『世界の歪み(リンパの詰まり)』、これも全部掻き出すからね」

 リトは一切の容赦をしない。神だろうが何だろうが、彼の前では「汚れを溜め込んだ巨大な被洗浄物」に過ぎないのだ。リトは、ベヒモスから供給される高圧の『神聖重曹水』をゼノンの全身にぶちまけ、汚れの奥底まで浸透させていく。

「ルクレツィアさん、今のうちに『魔力・中和バフ』をお願い! この神様、汚れが多すぎて、落とした瞬間に周囲が汚染されるから!」

「心得ましたわ、リト様! ……【概念・防汚コーティング:神格・プロテクト】!!」

 ルクレツィアが魔法を放つと、剥がれ落ちたゼノンの垢が、リトの足元に到達する前に「無害な砂」へと変換され、次々と虚無のゴミ箱へと吸い込まれていく。

 そして、リトが最後の一仕上げとして、ゼノンの頭頂部に『超高純度・シルキーシャンプー』を叩き込み、一気に洗い流したその瞬間――。

 玉座の間が、爆発的な光に包まれた。

 光が収まった後にそこにいたのは、脂ぎった老人ではなく、眩いばかりの美貌を持った「瑞々しい青年」だった。

「……え。……だれ、この人」

 アルテミスが、思わず頬を染めて呟く。

 そこにいたのは、かつて世界を創造したばかりの、純粋で理想に燃えていた頃の最高神の姿だった。重たく粘ついていた魔力は、透き通ったクリスタルのような輝きを取り戻し、その瞳からは「怠慢」の濁りが完全に消え去っている。

「……。……。……あ。……体が、軽い。……思考が、流れる。……。……。……なんだ、私は。……こんなに素晴らしい気分を、数万年も忘れていたのか」

 ゼノンは自分の白く滑らかな手を見つめ、それからおずおずと自分の頬に触れた。そこには、もうベタベタした脂も、嫌な臭いも一切ない。

「リト……。……君という男は、なんという恐ろしい……いや、素晴らしい魔法使いなのだ。……。……決めたぞ。私は神をやめる! ……神なんてやってるから、掃除する暇もなくなって腐っていくんだ。……リト! 頼む、私を君の『弟子』にしてくれ! ……掃除のやり方を、一から、いやゼロから教えてほしいんだ!」

「えっ、いや、神様は続けてもらわないと困るんだけど……。……それに、君、掃除の才能なさそうだし」

 最高神に「才能なし」と言い放つリト。しかし、ゼノンはそれすらも「あぁ、厳格な指導だ……!」と喜びに震え、リトの足元に跪いて床を磨き始めるという、前代未聞の光景が繰り広げられた。


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