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『追放された掃除屋の俺、全自動の「洗浄結界」を張ったら聖域が爆誕した。〜ボロボロの女騎士を洗ったら神話級の英雄に覚醒したんだが、俺はただの清掃員なんだが?〜』  作者: 志喜  陽斗
第5章:世界のシミ・根源的洗浄編

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78/100

第78話:神々の「汚部屋」会議。――「掃除をしない神に、世界を管理する資格なし」。

天界の中枢、『至高の円卓の間』。そこは世界すべての運命を決定する、神々が集う聖域である。

 しかし、リトが蹴破るようにして(もちろん、扉の取っ手を消毒しながら)入室したそこは、もはや「世界最大の汚部屋」と化していた。

 円卓の上には飲みかけのカップが放置され、書類の山が崩れて床を覆い尽くしている。神々はといえば、寝癖だらけの髪で「管理なんて面倒くさいなー」と愚痴をこぼしながら、スマホのような魔導端末で暇を潰していた。

「……。……。……全員、そこを動かないで」

 リトの低い、しかし地獄の底まで響くような声が室内に響いた。

 神々が驚いて顔を上げる。

「何だ、お前は……。……あぁ、例の『下界の掃除屋』か。……騒々しいぞ。せっかく今、新しい世界を作るプロットを考えて――」

「プロットを考える前に、まずこの『食べかす』を片付けて。……君たちが世界を管理する神様? ……笑わせないでよ。自分の部屋一つ管理できない人に、他人の人生(世界)を管理する資格なんて、一ミリもないよ」

 リトが言い放った言葉は、神々の尊厳を完膚なきまでに粉砕した。

 一人の神が激昂して立ち上がる。

「貴様、神に向かって何という不敬を! 我らは全知全能――」

「全知全能なら、この床にこびり付いた『こぼしたコーヒーのシミ』が、もう落ちないレベルまで酸化してることも知ってるはずだよね? ……ほら、見て。君の足元、カビが生えてるよ」

「……。……ひっ!?」

 リトが指差した瞬間、神は自分の足元にある「緑色の物体」を見て絶叫した。

 神々は永遠の存在ゆえに、汚れによる「不快感」に慣れすぎていた。しかし、一度リトに指摘され、その不潔さを再認識させられると、もう二度と元には戻れない。

「……よし。……今日は『天界・全知全能・大掃除』の日だ。……神様たち、全員雑巾を持って。……サボった分だけ、魂が削れるまで磨いてもらうからね」

「ま、待て! 私たちは神だぞ! なぜ掃除などを――」

「【清掃奥義:連帯・強制雑巾がけ(ジャスティス・クリーニング)】!!」

 リトが魔力を解放すると、神々の手に「呪いの(一度掴んだら掃除が終わるまで離れない)雑巾」が張り付いた。

 天界の支配者たちが、泣きながら床を這いずり、数万年分の垢を落とす……という、前代未聞の光景が繰り広げられた。

「リト様……。……神様たち、意外と腰の使い方が上手いですわ」

 アルテミスが感心したように見守る中、天界はかつてないほどの「清潔」に包まれようとしていた。

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