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『追放された掃除屋の俺、全自動の「洗浄結界」を張ったら聖域が爆誕した。〜ボロボロの女騎士を洗ったら神話級の英雄に覚醒したんだが、俺はただの清掃員なんだが?〜』  作者: 志喜  陽斗
第4章:魔王城・大掃除遠征編

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第68話:魔王の「秘密のコレクション」。リト、カビた魔導書をレストアする。

魔王の寝室を掃除中、リトは壁に隠された「秘密の書庫」を発見した。そこには、世界を滅ぼす禁断の魔法や、古代の呪いが記された魔導書がぎっしりと並んでいる……はずだった。

「……うわぁ。これはひどい。『カビの温床』じゃないか。魔導書が湿気を吸って、ページ同士がくっついて開かなくなってるよ」

 リトが手に取ったのは、伝説の黒魔術書『終末の福音』。しかし、その表紙には緑色のカビがびっしりと生え、開こうとするとバキバキと嫌な音がする。

「リト様、それは触れてはいけません! その書物は、触れた者の魂を腐らせるという呪いの書……!」

 エルナが青ざめて警告するが、リトは既に「無水エタノール」を染み込ませた脱脂綿を手にしていた。

「呪いっていうか、これ、ただの『アスペルギルス(麹菌)』の親戚だよ。魔力が強い本ほど栄養が豊富だから、カビにとっては最高のご馳走なんだね。……放置しちゃダメだよ、本が泣いてる」

 リトの指先が、精密機械のように動き出す。まずはピンセットで丁寧に表面のカビを剥がし、次に特製の『防カビ・中性クリーナー』を最小限に塗布していく。

「アルテミスさん、風を。……冷風で、湿気だけを飛ばして。熱風は紙を傷めるから厳禁だよ」

「わ、分かりましたわ! ……【風の精霊よ、微風そよかぜをもってリト様の作業を助けよ】!」

 アルテミスの微細な魔力コントロールにより、魔導書に溜まった湿気がゆっくりと抜けていく。リトはさらに、ページを一枚一枚めくり、張り付いた部分を『薄刃のヘラ』で慎重に剥がしていく。その集中力は、もはや神業に近い。

「……よし、仕上げに『魔力定着・保存用ワックス』を。これで、あと一万年はカビないよ」

 リトが作業を終えると、ボロボロだった禁断の書は、まるで昨日刷られたばかりの新刊本のような輝きを取り戻した。

 すると、魔導書から漆黒の煙が立ち上り、怨念の化身が現れる……かと思いきや。

「……あぁ、気持ちいい……。ページが、ページが通る! 窒息しそうだった文字たちが、再び躍動を始めた……! ありがとう、若き掃除屋よ。お礼に、この『究極の浄化魔法』を君に授けよう」

「あ、魔法はいいです。代わりに、そのページに付いてる『古い糊の跡』を綺麗にさせてくれる?」

「……。……君、本当に徹底してるね……」

 魔導書の精霊すらも呆れさせるリトの清掃愛。しかし、この「本のレストア」によって、魔王城に隠されていた「ある重大な真実」が、文字通りクリアに浮かび上がってくることとなる。

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