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『追放された掃除屋の俺、全自動の「洗浄結界」を張ったら聖域が爆誕した。〜ボロボロの女騎士を洗ったら神話級の英雄に覚醒したんだが、俺はただの清掃員なんだが?〜』  作者: 志喜  陽斗
第4章:魔王城・大掃除遠征編

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第67話:魔王城の「寝室」に潜む影。リト、数千年の埃(ダスト・バニー)を狩る。

大浴場の配管詰まりを解消し、城全体に清浄な魔力が巡り始めた魔王城。しかし、リトの「清掃眼」は、城の最深部――魔王の寝室へと繋がる重厚な扉の隙間から漏れ出す、不穏な「モヤ」を逃さなかった。

「……みんな、ここからはマスクを二重にして。この先に待っているのは、ただの汚れじゃない。放置されすぎて『意志』を持ってしまった埃の巣窟だよ」

 リトが厳かに告げ、扉をゆっくりと開く。その瞬間、ゴォォッという音と共に、灰色の巨大な塊が一行に襲いかかった。それは、数千年にわたってベッドの下や家具の裏で増殖し続けた、概念的な埃の魔物『メガ・ダスト・バニー』だった。

「ひゃっ!? 何ですか、このモコモコした怪物は! 斬っても斬っても、手応えがありませんわ!」

 アルテミスが聖剣を振るうが、剣先は埃の層に飲み込まれ、かえって静電気で吸い寄せられた埃が刃を鈍らせていく。聖女エルナの浄化魔法も、あまりに物理的な密度の高い「塵」の前では、表面を撫でる程度の効果しか発揮できない。

「無理だよ、アルテミスさん。埃は『斬る』ものじゃなくて『絡め取る』ものなんだから。……ルクレツィアさん、準備はいい?」

「ええ、リト様! 洗濯で培った私の魔力、今こそお見せしますわ!」

 リトは自作の『静電気チャージ・モップ』を構えた。これは、雷属性の魔石を組み込み、対象の汚れと逆の電荷を発生させることで、どんな微細な塵も逃さず吸着する究極の清掃具だ。

「【清掃奥義:静電・大捕縛エレキ・スイープ】!!」

 リトがモップをひと振りすると、部屋中の埃が一斉に磁石に引き寄せられるようにリトの元へと集まってきた。巨大なウサギの形をしていた魔物も、リトの放つ圧倒的な「吸着力」には抗えず、悲鳴を上げながらバラバラに分解されていく。

「……あ、危ない。吸い込みすぎると僕まで埃まみれになっちゃう。ルクレツィアさん、今のうちに!」

「了解です! ……【概念・柔軟剤スプレー:静電防止仕様】!!」

 ルクレツィアが魔法の霧を散布すると、あんなに凶悪だった埃たちが、一瞬で重みを失って地面へとへたり込んだ。静電気を封じられた埃は、もはやただの「ゴミ」でしかない。

「仕上げは……僕の『次元掃除機』だね」

 リトが腰の四次元ゴミ箱を起動すると、部屋を埋め尽くしていた数千人分の埃が一気に飲み込まれていった。

 後に残されたのは、豪華な黒檀の家具と、深紅の絨毯が美しい、魔王の寝室。……だが、リトの目は、ベッドの枕元に置かれた「あるもの」に釘付けになった。

「……あ。魔王様、こんなところに『脱ぎっぱなしの靴下』を放置してる……。これは、お仕置きが必要かな」

 魔王城の主の意外な「ズボラさ」に、リトの掃除魂はさらに激しく燃え上がるのであった。

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