表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『追放された掃除屋の俺、全自動の「洗浄結界」を張ったら聖域が爆誕した。〜ボロボロの女騎士を洗ったら神話級の英雄に覚醒したんだが、俺はただの清掃員なんだが?〜』  作者: 志喜  陽斗
第4章:魔王城・大掃除遠征編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

66/100

第66話:魔王城の「大浴場」と配管詰まり。数千年のヘドロを掃除せよ!

ルクレツィアを仲間に加え、一行は魔王城の中枢――『漆黒の大浴場』へと到達した。

 かつては歴代の魔王たちが疲れを癒やしたとされるその場所は、今や見る影もなく荒れ果てていた。浴槽には真っ黒なヘドロが堆積し、排水口からは「この世の終わり」のような腐敗臭が漂っている。

「……う。これは、魔海編のぬめりよりも質が悪いな。……配管の中で汚れが『化石化』してるよ」

 リトは、排水口の奥を覗き込み、冷静に診断を下す。

 魔王城の大浴場は、城全体の魔力循環の役割も担っている。ここが詰まっているということは、城全体の「気の流れ」が滞り、それが魔王軍の凶暴性や陰湿な性格を助長している可能性が高かった。

「リト様! 排水口の奥から、何か……不気味な鳴き声が聞こえますわ!」

 エルナが指差す先、ヘドロの中から巨大な目玉がギョロリと姿を現した。それは、配管の汚れを食べて巨大化した魔物――『パイプ・クラーケン(汚物種)』。本物のクラちゃんと違い、ヘドロと髪の毛の塊でできた、不潔の権化である。

「グルルル……。オレサマの寝床を……邪魔スルナ……。汚れハ……オレサマの……御馳走ダ……」

「ご馳走なのはいいけど、ちゃんと流れてくれないと困るんだよ。……君がいるせいで、魔王様の家の排水が逆流しそうになってるんだ」

 リトは、ベヒモスから巨大な「高圧洗浄ホース」を引き出した。ノズルの先には、ダイヤモンドをも砕く超硬質回転ブラシを装備している。

「みんな、下がってて。……配管掃除は、水圧と根気の勝負だから。……クラちゃん、ポンプ最大出力! ターゲットは配管の奥三千メートル!」

「おうよ、リト様! ……偽物のクラーケンに、掃除の神髄を教えてやるぜ! ……【超高圧・聖水ジェット】発射ァ!!」

 ズドドドドドドドドッ!!

 凄まじい轟音と共に、青白い聖水の奔流が排水口へと叩き込まれた。

 パイプ・クラーケンは、あまりの水圧に抵抗する間もなく、自慢の汚れごと「ピーリング」されるように削り取られていく。

「ギ、ギャアアアアッ!? 削れる! オレサマの……数千年の蓄え(垢)が、一瞬でゼロにぃぃぃっ!!」

「【清掃連携:次元・真空吸引】!!」

 リトが反対側の排水口で魔法を発動させると、削られた汚れが凄まじい勢いで吸い上げられ、リトの「虚無のゴミ箱」へと次々に放り込まれていく。

 数分後。

 ゴボゴボッ! という軽快な音と共に、溜まっていた水が一気に流れ去った。

 後に残されたのは、まるで大理石で作られた神殿のような、白く輝く美しい浴場だった。

「……あ。……流れた。……リト様、音が違います! 水が吸い込まれる音が、まるで歌っているようですわ!」

 セリナが感動に震える。

 配管の詰まりが解消されたことで、魔王城全体に清浄な魔力が巡り始め、城を覆っていた暗雲がさらに薄くなっていく。

「ふぅ……。やっぱり、水回りが綺麗になると気持ちがいいね。……よし、次は魔王様の寝室の『ベッドの下』かな。……絶対、埃の山になってるはずだからね」

 掃除屋リトの快進撃は止まらない。魔王城という巨大な「不潔」が、今、一箇所ずつ確実に「聖域」へと書き換えられていた。


面白いと思ったら評価やブクマをお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ