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『追放された掃除屋の俺、全自動の「洗浄結界」を張ったら聖域が爆誕した。〜ボロボロの女騎士を洗ったら神話級の英雄に覚醒したんだが、俺はただの清掃員なんだが?〜』  作者: 志喜  陽斗
第4章:魔王城・大掃除遠征編

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第62話:四天王『塵灰のダスト』。リトの「N95級・魔導マスク」に敗北す。

魔王領の入り口をたった一人(と雑巾一つ)でピカピカにしてしまったリト。その異常事態を察知し、魔王城から直々に「四天王」の一人が送り込まれてきた。

 周囲に立ち込める霧が、急激に密度を増す。それはただの霧ではない。吸い込めば肺が石化し、全身が「塵」となって崩れ去る、最悪の魔力埃。

 霧の奥から現れたのは、全身をボロ布のような灰色のマントで包んだ男、――四天王『塵灰じんかいのダスト』だった。

「クハハハ……。よくも我が門兵たちを勝手に洗ってくれたな。……だが、私の前ではすべてが無意味。……この世のあらゆる美しさは、最後には『塵』へと還るのだ」

 ダストが腕を振ると、凄まじい量の「アレルギー性・魔力塵」がリトを襲った。普通の人間なら、一吸いしただけで激しい咳き込みと共に命を落とす絶望の攻撃。

「……うわっ、ひどいハウスダスト。……ダストさん、君、最後に部屋の掃除したのいつ? ……これ、PM2.5どころか、概念的な有害物質が混ざってるじゃないか」

 リトは落ち着いた手つきで、懐から一枚の布を取り出した。

 それは、聖教会の秘宝である『神聖絹ホーリー・シルク』を、リトが独自に十六層に折り重ね、静電気チャージを施した『特製・N95級・魔導マスク』だった。

「……はい、みんなも付けて。……これなら、どんなに細かい汚れの粒子も100%カットできるから」

「あ、ありがとうございます……! ……ふぇっ、リト様の匂いがします……。これ、リト様が夜なべして縫ってくださったマスク……。……一生外したくありませんわ!」

 アルテミスがマスク越しに深呼吸をし、恍惚とした表情を浮かべる。

「……な、何だと!? 我が『死の灰』が、たかが布切れ一枚で防がれるだと!?」

 ダストが驚愕し、さらに大量の埃を撒き散らす。

「防ぐだけじゃないよ。……掃除の基本は『集塵』だ。……バラバラに舞ってるから厄介なだけで、一箇所にまとめちゃえば、ただの『燃えるゴミ』なんだから」

 リトはベヒモスの甲板から、巨大な「魔導集塵機バキューム・ベヒモス」のノズルを引き出した。

「クラちゃん、吸引開始! ……【清掃奥義:広域・静電気捕集結界マイクロ・ボルテックス】!!」

 ズゥゥゥゥゥゥゥン!!

 周囲の空気が一変した。リトが放った静電気の魔法が、ダストが操る埃の粒子一つ一つを吸着し、巨大な「埃の玉」へと凝縮していく。

 ダストの体から溢れ出す霧までもが、リトの掃除機の強力な吸引力に逆らえず、掃除機の紙パック(四次元収納)へと吸い込まれていく。

「ま、待て! 私の魔力が……私の存在意義が……吸い取られていくぅぅぅっ!!」

「大丈夫、ダストさん。……埃を取った後の空気って、すごく美味しいから。……君も、一度『クリーンルーム』の心地よさを知るべきだよ」

 ダストの叫びも虚しく、彼は自慢の灰色のマントごと掃除機に吸い込まれ……。

 フィルターを通って出てきた時には、埃一つ付いていない、清潔感あふれる「ただの青年」へと精製されていた。

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