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『追放された掃除屋の俺、全自動の「洗浄結界」を張ったら聖域が爆誕した。〜ボロボロの女騎士を洗ったら神話級の英雄に覚醒したんだが、俺はただの清掃員なんだが?〜』  作者: 志喜  陽斗
第4章:魔王城・大掃除遠征編

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第61話:魔王領への入国審査は「靴の裏の除菌」から。

クリスタルのように澄み渡った魔海を後にし、古代魔導戦艦ベヒモスはついに魔王領の国境線――『断絶の黒岩地帯』へと到達した。

 そこは、かつてリトが浄化した人魚の国とは正反対の世界だった。空はどす黒い暗雲に覆われ、大地からは鼻を突くような硫黄の臭いと、腐敗した魔力の霧が立ち上っている。

「……ひどい。これはひどすぎるよ、みんな」

 ベヒモスの甲板に立ったリトは、望遠鏡を覗き込むまでもなく、その「惨状」に顔を歪めた。

 彼の視線の先には、魔王領の入り口を守る巨大な城門『黒鉄の門』がある。しかし、その門は長年の手入れ不足で赤茶色に錆びつき、周囲の石畳には魔物たちの食べ散らかした残骸や、正体不明の「ぬめり」がこびり付いていた。

「リト様、あれが魔王軍の第一防衛線です。門兵には数千のスケルトンと、凶悪なガーゴイルが配置されています。……強行突破いたしますか?」

 アルテミスが聖剣の柄に手をかけ、いつでも突撃できる構えをとる。しかし、リトは静かに首を振った。

「突破なんて物騒なことはしないよ、アルテミスさん。……でも、あのまま入国するのは絶対に無理だ。……見てよ、あの門兵たちの足元。……泥だらけの靴で、あんな不潔な場所を歩き回ってる。……あんなのを通したら、ベヒモスの甲板が秒速で汚染されちゃうよ」

「……。……リト様、まさか」

 ネフィリムが嫌な予感を察して後退する。

「うん。……入国審査の前に、まずは『検疫』だ。……それも、物理的な汚れを完全にシャットアウトする、世界一厳しいやつをね」

 リトはベヒモスの主砲を、門兵たちの足元に向けて照準を合わせた。ただし、装填されているのは破壊魔法ではない。リトが魔海編で開発した『高密度・神聖除菌ミスト』と、瞬間乾燥を可能にする『速乾性・防汚ワックス』の混合液だ。

「クラちゃん、散水用意! ……【清掃魔導:国境・クリーンゲート展開】!!」

 ドォォォォォォォン!! という轟音と共に、門の前に巨大な「白い霧の壁」が出現した。

 何も知らずに襲いかかろうとしたスケルトン軍団が、その霧に突っ込んだ瞬間――。

「ギャァァァッ!? 骨が……骨が真っ白にホワイトニングされていくぅぅぅっ!?」

「目が……! 目の眼窩に溜まっていた数百年分の埃が、優しく洗い流されて……視界が、視界が4K並みにクリアだぁぁっ!!」

 阿鼻叫喚の地獄絵図……ならぬ、阿鼻叫喚の「強制洗浄」。

 霧を抜けたスケルトンたちは、かつての不気味な姿はどこへやら、理科室の標本よりも白く輝く「美骨びこつ」へと変貌していた。

「よし、第一段階完了。……次は、門そのものだね。……あのサビ、見てるだけで目が痒くなるよ」

 リトは、手に持った『超振動・サビ取りスクレイパー』を構え、自ら戦地の最前線へと飛び出していく。魔王軍の兵士たちが武器を構える暇もなく、リトの「掃除の嵐」が魔王領の玄関口を襲った。

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