表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『追放された掃除屋の俺、全自動の「洗浄結界」を張ったら聖域が爆誕した。〜ボロボロの女騎士を洗ったら神話級の英雄に覚醒したんだが、俺はただの清掃員なんだが?〜』  作者: 志喜  陽斗
第3章:魔海浄化と人魚の涙編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

58/100

第58話:堕天使の「黒い羽根」はただの不潔。リト、魂のホワイトニングを敢行。

「ふん、下界の羽虫が。……この『黒ずみ』こそが、天界の浄潔を保つための尊い犠牲なのだ。……それを拭き取ろうなど、神への反逆と思え!」

 管理天使――その名は『塵芥のザリエル』。彼は自分の巨大な黒い羽根を広げ、そこから「万物を風化させる埃」の嵐を撒き散らした。その埃に触れた雲は一瞬で灰色に濁り、下方の海にも汚染が広がり始める。

「リト様! お下がりください! その汚れは、触れるだけで魂を腐食させます!」

 下方からエルナが絶叫する。

 しかし、リトは一歩も引かなかった。

「腐食じゃないよ、エルナさん。……これ、ただの『静電気で集まった塵』の塊だ。……天使さん、君、最後に羽根を洗ったの、いつ?」

「な、何だと……!? この羽根は『闇の聖性』を纏った――」

「嘘だよ。……根元のところが、脂ぎって固まってるじゃないか。……そんな不潔な羽根で空を飛ぶから、次元の窓が曇るんだ。……よし、決めた。……君ごと、ホワイトニングしてあげる」

 リトは、霧吹きを逆さに持ち、中に入った電解水に『神聖・漂白触媒』を急造でブレンドした。

「【清掃奥義:次元・一括・ホワイト・アウト】!!」

 リトが放ったのは、光の弾丸ではない。……それは、対象物の「色」そのものをリセットし、本来の純白へと戻す『概念的漂白』の奔流だった。

 バシュゥゥゥゥゥゥン!!

 ザリエルを包み込んだ白い霧。

「ギャァァァァァァッ!? 何だ、この爽やかな匂いは! ……私の誇り高き『黒』が、……安っぽい洗剤の匂いと共に消えていくぅぅぅっ!!」

 リトはさらに、クラちゃんの触手を借りて、ザリエルの背後に回り込んだ。

「クラちゃん、その足を『超高速ブラシ』にして! ……ザリエルさんの羽根を、一枚一枚『ブラッシング』するんだ!」

「おうよ! ……【魔獣式・十万回転・羽毛洗浄】!!」

 クラーケンの触手が、絶叫する天使を捕らえ、凄まじい速度で磨き上げを開始した。

 黒い埃が霧散し、ベタついていた羽根の脂がリトの洗剤で分解され、空中に「美しい虹色の泡」となって弾けていく。

 数分後。

 そこに浮いていたのは、禍々しい堕天使ではなく――。

 眩いばかりの純白の翼を持ち、肌は赤子のようにスベスベになり、頭上の光輪がLEDライトのように輝く、清潔感の塊のような「真・天使」となったザリエルだった。

「……。……あ。……あぁ……。……なんという、清涼感だ……」

 ザリエルは、自分の翼から漂う「せっけんの香り」に包まれ、恍惚とした表情で涙を流した。

「……。……私、今まで何を意固地になっていたのでしょう。……この『清潔さ』こそが、真の救いだったというのに……」

「分かればいいんだよ、ザリエルさん。……さあ、汚れの主が綺麗になったところで、仕上げだ。……この次元の窓を、鏡面仕上げにするよ!」

 リトは、ザリエルが撒き散らした汚れを一箇所に集めると、それを自分の雑巾でキュッキュと拭き上げた。

 すると、魔海の空が「カチリ」と音を立てて繋がった。

 そこには、これまで誰も見たことがないような、深い藍色と黄金色が混ざり合う、神話の時代を越えた『究極の空』が広がっていた。

「……。……終わったわね」

 ネフィリムが、その空を見上げて呟く。

「……ええ。……リト様の掃除が、ついに世界そのものを『新品』に変えてしまいましたわ」

 だが、リトの掃除道はここで止まらない。

 魔海を救った彼が次に見据えるのは、この空の向こう――魔王が支配する「世界最大の不潔地帯」であった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ