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『追放された掃除屋の俺、全自動の「洗浄結界」を張ったら聖域が爆誕した。〜ボロボロの女騎士を洗ったら神話級の英雄に覚醒したんだが、俺はただの清掃員なんだが?〜』  作者: 志喜  陽斗
第3章:魔海浄化と人魚の涙編

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第48話:海底火山の「煤(すす)」は最高の研磨剤? リト、新兵器『超振動ブラスター』を試す。

王宮の滑り止め対策を終えたリトの次なる標的は、海底火山群の奥深くに鎮座する『古の魔導窯まどうがま』だった。

 そこはかつて、神々が世界の骨組みを造るために使ったとされる巨大な炉なのだが、数万年分の「燃えカス」と「魔力のスラグ」がガチガチに固着し、もはや岩塊にしか見えない状態だった。

「リト様、あれは無理です。……教会の記録でも、歴代の勇者たちが『最強の槌』で叩いても破片一つ飛ばなかったと言われる、宇宙で最も硬い汚れですよ」

 エルナが震えながら、真っ黒な巨大構造物を指差す。

 確かに、そこにあるのはもはや汚れではなく「汚れが結晶化してダイアモンド以上の硬度を持った何か」だった。

「硬いなら、中から壊せばいいんだよ。……ほら、先日ピカ丸たちが集めてくれた『火山の煤』。これ、実は極小の『鋭利な魔力結晶』なんだ。これを使えば、どんな汚れも削り落とせる」

 リトが取り出したのは、高圧洗浄機のノズルを改造した新兵器――『超振動・サンドブラスト・カノン』。

 火山の煤を弾丸として利用し、リトの超音波振動で一秒間に数億回叩きつけるという、掃除の皮を被った破壊兵器だ。

「アルテミスさん、クラちゃん。……衝撃波が出るから、耳を塞いでてね。……いくよ」

 リトがトリガーを引いた。

 キィィィィィィィィィィィン!!

 鼓膜を突き刺すような高周波と共に、ノズルから「黒い光」が放たれた。

 それが『魔導窯』の表面に触れた瞬間、何万年も不動だった黒い層が、まるで乾燥した泥のようにパラパラと崩れ落ち始めたのだ。

「う、嘘でしょ……!? あの、最強の不浄が……砂になっていく……!?」

 セリナが呆然と呟く。

「表面を叩くんじゃなくて、煤の粒子を汚れの『分子の隙間』に滑り込ませて、中からこじ開けてるんだ。……あ、ほら、中から綺麗なオリハルコンが見えてきたよ」

 リトのブラスト洗浄が進むにつれ、巨大な岩塊の中から、黄金色に輝く精緻な機械仕掛けの炉が姿を現した。

 それは太陽のように眩しく、周囲の海水を心地よい黄金色に染めていく。

「……はぁ。やっぱり、元はこんなに綺麗だったんだね。……放置されて、かわいそうに」

 リトは愛おしそうに、露出した魔導窯の装飾を雑巾でキュッキュと拭き上げる。

 すると、数万年ぶりに再起動した窯が、リトの掃除に応えるように「ヴォォォォン」と重低音の稼働音を鳴らした。

「リト様! 窯が……世界の創造に使われたとされる『原初の火』を灯しました! ……これで、どんな汚れた物質も、純粋なエネルギーへと還元できます!」

「へぇ、それは便利だね。……じゃあ、今まで集めた『脂の石』とか『カビの残骸』を全部ここに入れて、最高の『エコ洗剤』の原料を精製しようか」

「……この男、ついに神の道具を『ゴミ処理機兼、洗剤工場』として使い始めたわ……」

 ネフィリムが呆れたように呟くが、その表情には深い尊敬の念が混じっていた。

 リトの掃除は、ついに「世界のゴミ」を「世界のエネルギー」へと変える、完全循環型のシステムを構築しつつあった。

 だが、その強大すぎる浄化のエネルギーが、深海のさらに下――「次元のヒビ」に詰まっていた『時空の埃』を吸い寄せてしまう。

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