表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『追放された掃除屋の俺、全自動の「洗浄結界」を張ったら聖域が爆誕した。〜ボロボロの女騎士を洗ったら神話級の英雄に覚醒したんだが、俺はただの清掃員なんだが?〜』  作者: 志喜  陽斗
第3章:魔海浄化と人魚の涙編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

46/100

第46話:伝説のクラーケンを洗濯機代わりに再利用。アルテミスの「下着」危機。

『グリース・ベヒモス』との戦いは、熾烈を極めた……はずだった。

 巨大な脂の怪物が放つ、あらゆる攻撃を「ベタベタ」にする粘液の弾丸。しかし、リトが船体全体に展開した「超低摩擦・テフロン結界」の前では、すべての攻撃が虚しくツルリと滑り落ちていく。

「……ヌ、ヌメルゥ!? ……なぜ……なぜ当たらない……っ!?」

「当たり前だよ。……リト様の結界は、分子レベルで『くっつく』ことを禁じているんですもの。……あなたの存在そのものが、リト様にとっては『エラー』なのよ」

 ネフィリムが、冷ややかな笑みを浮かべて影のメスで脂の巨体を切り裂く。

 リトは、その隙にクラーケンのクラちゃんへの指示を一段階引き上げた。

「クラちゃん! 第五触手から第八触手までを『脱水モード』に切り替えて! ……ベヒモスの中心核から水分を絞り出すんだ!」

「あいよっ! ……【クラーケン式・一兆回転・遠心脱水】!!」

 クラちゃんの触手がグリース・ベヒモスの核を捕らえ、凄まじい速度で回転を始めた。

 ギュゥゥゥゥゥゥン!! という物理法則を無視した音が響き、巨大な脂の怪物は、自分の体から「不純な水分」と「悪臭の元」を絞り出され、みるみるうちに縮んでいく。

 その傍らで。

 激しい戦い(掃除)の飛沫を浴び、服が汚れてしまった一行。アルテミスは、リトの着替えを用意しながら、ある重大な事実に気づいて戦慄した。

「……リ、リト様。……大変です。……この『魔海のカーテン』の脂汚れ……。……普通の洗濯では落ちないどころか、私の、その……『勝負下着(リト様に磨いていただく用)』に染み付いてしまいました!」

 アルテミスが、顔を真っ赤にして叫ぶ。

 彼女にとって、リトに触れられる可能性のある布製品が汚れることは、死よりも重い大罪であった。

「えっ、それは大変だ。……でも大丈夫、今ならちょうど『クラちゃん洗濯機』がフル稼働してるから。……アルテミスさん、汚れ物を全部クラちゃんの第三触手(ソフト洗い用)に預けて。……僕が調合した『シルク専用・神聖洗剤』で洗わせるから」

「えっ!? ……ク、クラーケンの足に、私の……その、布を……!? ……リト様が、直接洗ってくださるのではないのですか……!?」

「僕は今、あの巨大な脂の塊を中和するのに忙しいんだ。……ほら、クラちゃん! 加減して洗ってあげてね。……ボタンとか取れないように!」

「任せとけって、リト様! ……お嬢さん、俺の吸盤の『優しさモード』を舐めるなよ? ……高級エステより丁寧に揉み洗いしてやるぜ!」

「いやぁぁぁぁぁっ! リト様以外のものに洗われるなんて、屈辱ですぅぅぅっ!! ……でも、リト様がそう仰るなら……っ!!」

 アルテミスは、断腸の思いで自らの衣類をクラちゃんの触手に託した。

 戦場では巨大な脂の怪物が絶叫しながら洗浄され、船上ではヒロインが羞恥に震えながら「全自動・タコ洗濯」を受けている。

 カオス極まる魔海。しかし、リトが『オリハルコン・ソープ』を怪物の核に叩き込んだ瞬間、数億年分のぬめりは、一筋の清らかな水へと昇華された。

「……終わったね。……見て、アルテミスさん。君の服、新品よりも白くなってるよ」

「……はぅ。……白すぎて、眩しいです……。……でも、リト様。……次は、リト様の手で……直接、仕上げの『アイロンがけ』をお願いしますね?」

 脂の壁は消え去り、そこには水平線の彼方まで続く、鏡のような海面が広がっていた。

 魔海編は、ついに「世界で最も美しい海」を完成させ、最終局面へと向かう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ