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『追放された掃除屋の俺、全自動の「洗浄結界」を張ったら聖域が爆誕した。〜ボロボロの女騎士を洗ったら神話級の英雄に覚醒したんだが、俺はただの清掃員なんだが?〜』  作者: 志喜  陽斗
第3章:魔海浄化と人魚の涙編

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第45話:数億年分の「ぬめり」の壁。リト、世界最大の油汚れに挑む!

『魔海のカーテン』。

 それは、世界中の海洋生物が排出した油脂、沈没船から漏れた重油、そして魔物たちが撒き散らした不純な魔力が、海流の淀みに集まって固着した、いわば「地球規模の換気扇フィルター」であった。

 その厚さは数百メートルに達し、粘着性は接着剤を上回る。

「……これは、やりがいがあるどころの騒ぎじゃないね。……これを落としきれば、世界の海の『血流』が良くなって、地球全体が若返るはずだ」

 リトは、ベヒモスの全機能を「特殊洗浄モード」へと切り替え始めた。

 だが、流石のアルテミスも、その壁の巨大さと異臭を放つ「ぬめり」の正体に顔を曇らせる。

「リト様、流石にこれは規模が大きすぎます。……あの壁全体を洗剤に浸すには、大陸一つ分のバケツが必要ですわ」

「物理的なバケツはいらないよ、アルテミスさん。……海そのものを『洗剤』に変えて、クラーケンの触手で一気に『スクラブ洗浄』するんだ」

 リトの作戦は大胆だった。

 まず、クラーケンのクラちゃん(八本足洗濯機)をベヒモスの先端に固定し、その吸盤一つ一つに、リトが開発した『超強力・親油性・分解チップ』を装着する。

「クラちゃん、準備はいい? ……あの壁、全部君の『足』でこすってもらうからね。……一往復ごとに、世界が十歳若返ると思って頑張って!」

「おうよ、リト様! ……俺のこの強靭な吸盤、数億年分のぬめりに勝てるか試してやろうじゃねぇか! ……いくぜ、超高速・回転・吸盤ブラシ!!」

 クラちゃんが巨大な触手を伸ばし、ぬめりの壁に激突する。

 グチャァァァァァァッ!!

 凄まじい音と共に、黒い脂の塊が飛沫を上げて舞い上がる。

「う、わぁ……。一発で吸盤が真っ黒だ。……でも、ここからが僕の出番だね」

 リトは、ベヒモスの主砲から、洗浄液ではなく「超高温のナノ蒸気」を発射した。

 それはクラちゃんの触手にかかる負担を軽減し、同時にぬめりの壁の『脂の結合』を熱で緩める役割を果たす。

「【清掃連携:スチーム&スクラブ・レボリューション】!!」

 リトの蒸気がぬめりを浮かせ、クラちゃんの触手がそれを一気に掻き落とす。

 剥がれた脂汚れは、エルナが展開する「聖なる凝集結界」によって一箇所にまとめられ、小さな『脂の石(燃料)』へと精製されていく。

「すごいです! 汚れを捨てるのではなく、再利用可能な燃料に変えていくなんて……! これぞまさに、聖なるリサイクル!」

 エルナが感動に震える。

 しかし、壁の内部から、数億年の眠りを妨げられた「汚れの主」が姿を現した。

 それは、脂汚れが意思を持った巨大な不定形生命体――『グリース・ベヒモス』。

 核となるのは、かつて神に背いた古の巨人の「心臓」であった。

「……ヌメル……。……すべてを……ベタベタに……してやる……」

「させないよ。……君、その脂ギッシュな体、そのままにしておくと『酸化』して、自分でも耐えられないくらい臭くなるよ? ……今のうちに、サラッサラにしてあげる」

 リトは、ついに隠し持っていた「究極の石鹸オリハルコン・ソープ」を手に取った。

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