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『追放された掃除屋の俺、全自動の「洗浄結界」を張ったら聖域が爆誕した。〜ボロボロの女騎士を洗ったら神話級の英雄に覚醒したんだが、俺はただの清掃員なんだが?〜』  作者: 志喜  陽斗
第3章:魔海浄化と人魚の涙編

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第42話:古代の魔導ルンバ、大増殖。海底の「大掃除ロボット軍団」結成!

海底火山の煙突掃除に成功したリト。しかし、一台の『ピカ丸』では、広大な魔海の底をすべて掃除するには数百年かかる。そこでリトが目をつけたのは、海溝の砂に埋まっていた、かつての魔導大戦の遺物――大量の『自律型・機雷』の残骸だった。

「リト様、それは機雷です! 触れれば大爆発を起こし、海そのものを破壊する禁忌の兵器ですよ!」

 エルナが真っ青になって叫ぶ。

「爆発するのは、中の『火薬(魔力結晶)』が不安定だからだよ。……これを取り出して、代わりに『固形洗剤』を詰め込めば……ほら、世界最高の『全自動・洗浄ポッド』に早変わりだ」

 リトは、アルテミスに「ちょっと機雷を集めてきてくれる?」とお願いした。

「リト様のお頼みとあれば、深淵の底まで拾ってまいりましょう」

 アルテミスは、爆発するかもしれない機雷の山を、まるで林檎を拾うかのように軽々と抱え、ベヒモスの作業室へと持ち帰った。

 リトの「超高速・分解作業」が始まる。

 彼の指先が魔導回路に触れるたび、殺戮のプログラムが書き換えられ、代わりに「汚れを見つけたら死ぬ気で磨く」という、清掃屋の執念が刻み込まれていく。

「【清掃魔導:一括・再定義マス・クリーニング・リブート】!!」

 リトが魔力を流し込むと、数百個の機雷が同時にカチリと音を立て、青い光を灯した。

 それらはもはや武器ではない。リトの掃除魂を宿した、海底掃除ロボット軍団――『ピカ丸・マークII』である。

「よし、みんな! 海底の『ぬめり』を、一箇所残らず吸い取っておいで!」

 ベヒモスのハッチが開き、数百台のピカ丸が、まるで魚の群れのように深海へと放たれた。

 ピカ丸たちは、海底に積もったヘドロや、岩にこびり付いた藻、沈没船のサビを、驚異的な連携プレーで「削り、吸い取り、磨く」。

 シュバババババババッ!!

 ピカ丸たちが通り過ぎた後には、まるで磨き上げられた大理石のような海底が広がっていく。その光景は、もはや深海ではなく「神殿の床」のようだった。

「……あ、あの。リト様。……ピカ丸たちが、私の鱗まで磨こうと追いかけてくるのですが……っ!」

 セリナが、数台のピカ丸に囲まれて逃げ回っている。

「あはは、ごめん。……汚れセンサーの感度を上げすぎたかな。……セリナさんの鱗、まだ少し『古い角質』が残ってるって判断されたみたいだ。……痛くないから、大人しく洗われちゃいなよ」

「ひゃ、ひゃんっ!? ……ああ、でも、このブラシの振動……なんだか、クセになりそうです……」

 人魚の姫が、海底でピカ丸に揉み洗われながら、とろけるような表情を浮かべる。

 そんな平和(?)な光景の中、アルテミスは一人、ピカ丸たちに負けじと自分の鎧を磨いていた。

「……リト様。機械に頼るのも良いですが、やはり最後は『手拭き』こそが至高。……見てください、私のこの盾。リト様の顔が、毛穴の奥まで見えるほどに磨き上げました」

「……う、うん。それはちょっと磨きすぎかも。……光が反射して、眩しくて前が見えないよ」

 リトの掃除軍団が海底を制圧し、海域全体の「水質」はついに理論上の限界値――『絶対清浄』へと到達しようとしていた。

 しかし、水が綺麗になりすぎたことで、今まで「汚れ」に隠されていた『古の禁忌』が姿を現してしまう。

 海底から浮上してきたのは、巨大な、そしてあまりに不気味な「黄金の檻」だった。

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