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『追放された掃除屋の俺、全自動の「洗浄結界」を張ったら聖域が爆誕した。〜ボロボロの女騎士を洗ったら神話級の英雄に覚醒したんだが、俺はただの清掃員なんだが?〜』  作者: 志喜  陽斗
第3章:魔海浄化と人魚の涙編

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第38話:守護神、ペットになる。リトの家には「巨大な洗濯機」が必要?

全身をピカピカに洗い上げられたクラーケンは、もはや世界を滅ぼそうとする凶暴な魔獣ではなかった。

 彼は、自らの巨体を小さく(といってもクジラ程度のサイズだが)縮め、リトの乗る戦艦『ベヒモス』の横を、仔犬のように尻尾……ではなく触手を振って並走していた。

「……リト様。俺、こんなに気持ちいいの、生まれて初めてだ。……もう、深海のドロの中に帰りたくない。……一生、あんたのそばで洗われていたい」

「あはは、気に入ってくれてよかった。……でも、クラーケンさん。君、そんなに大きいと、僕の家の庭には入れないよ?」

「大丈夫だ! 俺、もっと小さくなれるから! ……ほら、これならどうだ?」

 クラーケンが、さらに魔力を凝縮させ、最終的には「リトの肩に乗るくらいの小さな赤いタコ」に変身した。

 頭には、リトが貸してあげた小さな手ぬぐいを乗せている。

「……かわいい。……これなら、ペットとして飼えるかもね」

「……リト様。……そのタコ、今すぐ私が刺身にして差し上げましょうか?」

 アルテミスが、殺気を含んだ笑顔で包丁を抜きかけた。

「リト様の肩という『聖域』に、私以外の生物が鎮座するなど、断じて許されません」

「ダメだよアルテミスさん。……クラーケンさんは、これから僕たちの旅の『洗濯機』になってくれるんだから」

「洗濯機……ですか?」

「うん。クラーケンさんの八本の触手は、それぞれ独立して動かせるだろ? ……一本は『洗い』、一本は『すすぎ』、一本は『脱水』……って分担すれば、一度に大量の洗濯物ができるんだ」

「……! なんという効率的、かつ革新的なアイデア! さすがはリト様です!」

 アルテミスが、一瞬で納得してクラーケンへの敵意を収めた。

 こうして、伝説の魔獣クラーケンは、リトの専属「全自動・八本腕洗濯機(愛称:クラちゃん)」として、一行に加わることになった。

「あ、リト様! 前方に島が見えます! ……でも、あの島、なんだか不自然に『ギトギト』しています……」

 エルナが、遠方の景色を指差した。

 そこは、魔海編の最終局面。

 あらゆる汚れを吸い寄せ、巨大な「ヘドロの要塞」と化した、伝説の魔王軍中継基地『ヌメリス島』だった。

「よし。……あそこの『油汚れ』、クラーケンさんの洗浄デビュー戦にしよう!」

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