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思いっきり叫ぼうとしたら声が出なかったのにびっくりしてなんかわかんないけど落ち着いた。
兎に角……ほかに異常なし……。
どうせ私に手を出そうとする人なんて……お髭の人と、クマみたいな人が浮かんだけど……。
うん、いないいない……。
……ばぁっ!って出てくるわけないよね。
……ってなにおバカなこと考えてるんだろう。
どっかでぶつけたんでしょ。
そんなことがあったりしながら私は王宮の仕事場へ。
貴族である上のほうの人たちの出仕は遅いけれど、一般人の私たちは早い。
貴族は夜会とか、夜会とか、夜会とかで夜が遅いのでそうなってるらしいのだけど。
私?
いつも早かったわよ。
だから主席書記官の朝の訓示前には仕事場のお掃除もぜ~んぶすませたぞ、カンペキ。
と言いつつちょっと胃が重いな~なんて思いながら本日の連絡事項を聞いている。
「……。あと、本日より祭り最終日の前日までは午前中のみの出仕でよい。最終日は特別に全日休暇とする」
うぉ~と上がる歓声は貴族様がいないから上がる。
「みんな十分楽しむように。ただしカメリアは酒を飲まぬこと」
えぇっ?
湧き上がる大爆笑とともにみんながこっちを見る。
えっ? えっ⁉
……。
なにやらかしたんだろ私
朝礼が終わって一人残された。
「最初に昨日君が言っていたソロバンという物の詳しい仕様書を書いて私に提出するように」
昨日私がやらかしたこと、記憶にないけど、それの叱責が来るんだとばかり思ってたけど全く違った。
「すみません昨日の記憶がお店に入った時から無いんですけど、私何をしでかしましたでしょうか?」
ん? とこちらを見る主席。
「一人芝居ロミオとジュリエット は感動した。ビイエルキョウゲンバンとかいう タローカジャとジローカジャ もなかなかよくできていて面白かった。とてもプロットを全く変えずに登場人物と演出を変えただけとは思えない喜劇だった」
上を向いて思い出し笑いをしていた主席が真顔になった。
「迎えに来てもらったんだよ、未婚のお嬢さんをあのまま返せないから。君のお姉さん 本気で怒ってたみたいだぞ。あれを見て全く笑いもしなかったから。」
姉?
頭の中で高速検索。
私の身元引け請け人として侍女の誰かが姉になってくれてるんだっけ。
怒ってるんだぁ、いきなり呼び出されて。
「は、はい」
「とにかく君は酒を飲まんほうがいい、わかったら仕事仕事」
パンパンと背中を叩かれながら反省。
お菓子でも持って謝りに行かなくっちゃ。
私を連れて帰ってくれたのは女の人。
めでたしめでたし。
ところで私のお姉さんってどんな人だろ。
浮かんだ疑問は午後になる前に解けた。
「リアちゃん、あなたのお姉さんが お昼いっしょに食べよう って」




