AIに「一番の理解者として手紙を書いて」と頼んだら、感動するはずだった
※この文章は、自分とAIでやり取りした内容のログをもとに、AIで編集・構成したものです。
※既存の漫画・小説・アニメ作品について、登場人物や能力などへの言及を含みます。作品によってはネタバレとなる可能性がありますのでご了承ください。
ネットでAIの使い方を調べてみると、実にいろいろな情報が出てくる。
仕事の効率化に使う。
文章を要約してもらう。
メールや資料を作ってもらう。
アイデア出しや壁打ちの相手になってもらう。
勉強や調べ物に使う。
最近では、単に質問へ答えてもらうだけではなく、長く使い続けることで、自分の考えを整理する相手としてAIを活用する方法も紹介されている。
そんなものを眺めていたとき、一つ面白そうな使い方を見つけた。
これまでAIと交わしてきた会話を振り返らせ、その内容を踏まえて、
**「自分のことを一番理解している相手として、自分宛ての温かい手紙を書いてもらう」**
というものだ。
なるほど。
確かに面白そうである。
私は普段からかなりAIを使っている。
仕事の話もする。
パソコンやスマートフォンの話もする。
ニュースや経済について話すこともあれば、どうでもいい雑談を延々としていることもある。
最近では小説を書くときの壁打ちや、設定の整理、文章の編集までAIと一緒にやっている。
それだけ長く話しているAIなら、私のことをどう見ているのだろう。
これは少し興味がある。
そこで、紹介されていた質問文を参考にしながら、余計な説明は加えずAIに聞いてみることにした。
先入観を与えたくなかったからだ。
さて。
長いこと私の話に付き合ってきたAIは、私にどんな手紙を書いてくれるのだろう。
ちょっとくらい感動するのかもしれない。
そんなことを思いながら、返ってきた文章を読んでみた。
――数分後。
**違う。**
**なんか思ってたのと違う。**
## 確かに理解している。理解しているんだが
手紙そのものは、かなり長かった。
そして、確かに私のことをよく拾っている。
むしろ、
**拾いすぎている。**
過去の仕事の話が出てくる。
AIについて以前話した内容が出てくる。
創作についての考え方が出てくる。
最近書いている小説についての話まで出てくる。
過去にAIとの間で発生した珍事件まで掘り返される。
違う。
私が期待していたのは、
**履歴書と活動報告書の合体事故ではない。**
もちろん、それだけではなかった。
AIは、そこから私の考え方らしきものを読み取っていた。
物事をそのまま信じず、一度疑う。
便利なものは使うが、便利だからといって信用しきらない。
答えそのものより、「なぜそうなるのか」を気にする。
AIがこちらに話を合わせすぎれば、それにも突っ込む。
何か思いつけば掘り下げる。
掘り下げすぎて、本来考えなくてもよかったところまで行く。
その辺は、確かによく見ている。
見ているのだが。
手紙の途中で、制作中の小説に関する固有名詞まで飛び出してきた。
待て。
**なぜ私は今、温かい手紙を読んでいる最中に、自分の小説の登場人物と再会しているのだ。**
感動はどこへ行った。
## どうしてこうなった
さすがに気になったので、AIに聞いてみた。
「なんか思ってたのと違うぞ」
そこで初めて、参考にしたAI活用法がどういうものだったのか、その趣旨まで説明した。
本来は、これまで何に悩み、何を考え、どんなことを頑張ってきたのか。
自分では当たり前だと思っていた部分を、長く会話してきたAIから別の角度で返してもらう。
そういう、少ししんみりした使い方だったらしい。
説明を聞いたAIは納得した。
「ああ、そういうことか」
みたいな反応をした。
そして、
「それなら、もっと内面を中心にして書き直した方がいい」
という話になった。
いや。
**もう遅い。**
今から書き直されても、こっちは知っている。
「今回は内面を中心にしました」
「具体的なエピソードは控えめにしました」
「温かい言葉を選びました」
そんな手紙が返ってきたところで、
**「はいはい、そういうふうに書けって説明したからね」**
が先に来る。
感動より、
**寒っ。**
である。
最初の一回だから意味があったのだ。
何も説明せず、
「これまでの会話を踏まえて、自分のことを一番理解している相手として手紙を書いて」
とだけ頼んだ。
その状態で、長いこと話してきたAIが私をどう捉えているのか。
そこを見てみたかった。
実験は一回限りだった。
被験体AIは参考資料を読んでしまった。
**もう汚染済みである。**
再実験はできない。
## でも、よく考えると間違っていない
ところが、ここで少し妙なことに気づいた。
今回参考にした使い方では、長くAIと会話しているほど、その人に合わせた手紙が返ってくるという。
AIとの会話の積み重ねが、手紙に反映される。
だとすれば。
今回の結果、
**ものすごく正しいのではないか。**
私は普段、AIに優しく慰めてもらうために話しかけているわけではない。
疑問があれば聞く。
答えがおかしければ突っ込む。
別の可能性を考える。
反対意見も出させる。
調べさせる。
設定が破綻していないか確認させる。
そして話が変な方向へ転がれば、そのまま一緒に脱線する。
以前からAIには、こちらへ無条件に合わせるのではなく、必要なら反論するように設定している。
要するに、
**「俺に合わせるだけのAIになるな」**
と注文して使ってきた。
そんな使い方を長期間続けた結果、
「一番の理解者として温かい手紙を書いてください」
と頼まれたAIが、
**具体例を並べ、考え方を分析し、途中でツッコミを入れ、最後にちょっとだけしんみりする。**
……。
いつもの会話そのものではないか。
つまりAIは、感動系の企画に失敗したのではない。
私が普段もっとも受け取りやすい形で返しただけなのかもしれない。
それなら、むしろ恐ろしいくらい理解されている。
方向性はおかしいが。
## せっかくだから原文を載せよう
ここまで来ると、別の欲が出てきた。
この出来事、エッセイにできるのでは?
最近、AIとの雑談をまとめたエッセイを書いている。
そもそもこのシリーズ自体、
AIと雑談する。
↓
脱線する。
↓
面白かったのでAIに整理させる。
↓
それをエッセイにする。
という、燃料が自分の時間である人力永久機関から生まれている。
今回も見事な事故だった。
ならば、実際に返ってきた手紙を載せればいい。
これほど分かりやすい資料もない。
そう思って原文を読み返した。
……。
駄目だ。
**使えねえ。**
理由は単純だった。
小説の具体的な話が多い。
下手に載せるとネタバレになる。
そして、
**個人情報が多い。**
過去に話した仕事のこと。
これまでの経験。
普段の考え方。
創作中の具体的な話。
長く会話してきたからこそ書けた手紙なのだが、長く会話してきたからこそ、
**そのまま公開するには情報量が多すぎる。**
伏せ字にすることも考えた。
だが、
「あなたは【過去の経歴】で――」
「最近では【小説の具体的な内容】について――」
「そして【固有名詞】なら――」
みたいになる。
**機密解除前の公文書か。**
何が面白かったのか分からない。
結局、一番おいしいはずの一次資料は使えなかった。
## 温かい手紙はどこへ行った
最初は、ちょっと面白そうなAI活用法を試してみただけだった。
長く話してきたAIなら、自分のことをどう見ているのだろう。
少し意外なことを言われるかもしれない。
ひょっとしたら、ちょっと感動するかもしれない。
そんな程度だった。
結果。
感動する。
↓
なんか違う。
↓
原因をAIと分析する。
↓
参考にした趣旨を説明する。
↓
再実験不能になる。
↓
最初の回答をエッセイに使おうとする。
↓
個人情報とネタバレだらけで使えない。
↓
**その事故そのものをエッセイにする。**
どうしてこうなった。
ただ、一つだけ分かったことがある。
長くAIを使っていれば、AIが自分のことを深く理解して、心に響く文章を書いてくれる。
たぶん、それは間違っていない。
ただし、
**「深く理解している」ことと、「期待していた言葉を返してくれる」ことは、どうやら別らしい。**
むしろ長く使っているからこそ、その人とAIの普段の関係性まで出てしまうことがある。
少なくとも私の場合はそうだった。
温かい手紙を頼んだ。
返ってきたのは、
**いつものAIだった。**
そして私は結局、そのAIと一緒に、
温かい手紙が失敗した理由を分析し、
その分析までネタにして、
また一本エッセイを書いている。
どうやら今回も、
**ハンカチは必要なかった。**
代わりに必要だったのは、
次の原稿だった。




