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第90話 「見えない線」

 戻った。


 拠点。


 中に入った瞬間。


 空気が軽くなる。


 外とは違う。


 守られている場所。


「……やっぱ別世界だな」


 蓮斗が言う。


 息を吐く。


「外、気持ち悪すぎだろ」


 白峰 蓮が頷く。


「環境が制御されている」


「自然ではない」


 悠真は何も言わない。


 ただ。


 さっきの場所を思い出している。


 侵食体。


 屍影の配置。


 疾影の動き。


 全部。


 “作られていた”。


 その時。


「……どうだった?」


 美月。


 少し不安そうに聞く。


 悠真が答える。


「……ダメだな」


 短く。


「踏み込める場所じゃない」


 その一言。


 空気が少し重くなる。


 だが。


 事実。


 その時。


「ぴー……」


 ぴーちゃんが言う。


「線ある……」


 全員が見る。


「線?」


 蓮斗が聞く。


 ぴーちゃんがふわふわと動く。


「見えないけど……」


「ここから先ダメって感じの……」


 曖昧な言い方。


 だが。


 的確。


「……境界だな」


 白峰 蓮が言う。


「侵食体がラインを作っている」


「それを越えると」


「戦場になる」


 理解が進む。


「……つまり」


 蓮斗が言う。


「こっちの安全圏と」


「向こうの領域があるってことか」


 その通りだった。


 悠真が頷く。


「しかも」


「向こうが作ってる」


 重要なポイント。


 自分たちの場所じゃない。


 敵の領域。


「……気に入らねぇな」


 蓮斗が言う。


「全部あっちの都合じゃねぇか」


 だが。


 現実だった。


 その時。


「……もう一つ」


 白峰 蓮が言う。


 全員が見る。


「屍影の動き」


「完全に連動していた」


「反応が速すぎる」


 分析。


「単体判断ではない」


「情報が共有されている」


 つまり。


「……一つの意思か」


 悠真が言う。


 白峰 蓮が頷く。


「可能性は高い」


 その時。


「ぴー……」


 ぴーちゃんが小さく震える。


「それ……やばいやつ……」


 直感。


 だが。


 否定できない。


 その時。


「……で、どうすんだ」


 蓮斗が聞く。


「このまま待つか?」


 悠真は少し考える。


 そして。


「……いや」


 首を横に振る。


「もう一回行く」


 短く言う。


「ただし」


 続ける。


「次は“線”を意識する」


 白峰 蓮が理解する。


「踏み込まずに観察」


 悠真が頷く。


「そうだ」


「越えない範囲で見る」


 つまり。


 戦うんじゃない。


 “読む”。


 敵を。


 構造を。


 ルールを。


 その時。


「……気をつけてね」


 美月が言う。


 静かに。


 でも。


 しっかりと。


 悠真が頷く。


「分かってる」


 そして。


 全員が理解する。


 これは。


 ただの戦いじゃない。


 “ルールを見つける戦い”。


 その第一歩。


 見えない線。


 それを知ったことで。


 戦いは。


 次の段階へ進む。


 敵は、場を作る。


 だから。


 こちらも理解しなければならない。



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