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第82話 「崩れるか、耐えるか」

止まらない。


 ダンジョンの奥。


 闇が、揺れる。


「……来るぞ!!」


 見張りの声。


 次の瞬間。


 溢れ出る。


 黒い影。


「……なんだ、あれ」


 蓮斗が構える。


 人型に近い。


 だが。


 歪んでいる。


 速さも、数も。


 異常だ。


「ぴー!!」


 ぴーちゃんの声。


 少し慌てている。


「ぴー!あれは屍影しえい!」


「ダンジョンの基本のやつ!でもいっぱい来てるの危ないよ!」


「……屍影か」


 悠真が構える。


 次の瞬間。


 横を何かが走り抜ける。


「っ!?」


 速い。


 明らかに。


「ぴー!?速いの来た!」


「それ疾影しつえい!」


「すっごく速い!当たらないやつ!」


「チッ……めんどくせぇな!」


 蓮斗が受ける。


 だが。


 捉えきれない。


 その時。


 奥。


 ゆっくりと進む影。


 大きい。


 重い。


「……なんだ、あれ」


 悠真が目を細める。


「ぴー……あれ嫌なやつ……」


 ぴーちゃんの声が少し低くなる。


重殻じゅうかく……すっごく硬い……」


「前止めるやつ!」


「……なるほどな」


 悠真が前を見る。


 屍影。


 疾影。


 重殻。


 役割が違う。


 ただの群れじゃない。


「ライン維持!」


 悠真が叫ぶ。


「前に出るな!」


 蓮斗が踏みとどまる。


 重殻がぶつかる。


 防壁が揺れる。


「……硬っ!」


 弾かれる。


 その瞬間。


 横から疾影。


「っ!」


 ギリギリで受ける。


 連携している。


 その時。


 奥。


 黒い塊。


 中心にいる。


 周囲の動きが揃う。


「……あれ」


 悠真が言う。


「ぴー……」


 ぴーちゃんが少し震える。


「……あれは統制核とうせいかく……」


「みんな強くするやつ……」


 その瞬間。


 疾影の動きが速くなる。


 重殻の圧も増す。


「……まずい!」


 白峰 蓮が言う。


「完全に役割分担されてる!」


「統制されてる!」


 ただの群れじゃない。


 “指揮された群れ”。


「統制核、落とす!」


 悠真が言う。


 だが。


 届かない。


 前に重殻。


 横に疾影。


 守られている。


「……突破できねぇ!」


 蓮斗が歯を食いしばる。


 その時。


「東側、崩れます!」


 声が飛ぶ。


 防壁にヒビ。


 重殻が押している。


「……行く!」


 蓮斗が動こうとする。


「待て!」


 悠真が止める。


「ライン崩れる!」


 一瞬の判断。


 だが。


「……任せろ」


 低い声。


 桐谷 恒一郎。


 走る。


 防壁へ。


 叩く。


 補強。


 支える。


「……持たせる!」


 防壁が。


 踏みとどまる。


 その間。


 内側。


「補給止めるな!」


 白峰 恒一。


 人が動く。


 流れが繋がる。


 止まらない。


 その中で。


 黒崎 美月。


 震えている人を見つける。


「……大丈夫?」


 声をかける。


 反応がない。


 美月は手を取る。


「……一緒に行こ」


 引く。


 ゆっくり。


 でも。


 止めない。


 人が動き出す。


 その流れを見て。


「……いい」


 黒崎 恒一が言う。


「止まらなければ、崩れん」


 短く。


 だが。


 核心。


 外。


 悠真が前を見る。


 屍影。


 疾影。


 重殻。


 統制核。


 そして。


 その奥。


 見えない何か。


「……来てるな」


 小さく言う。


 これは。


 ただの戦いじゃない。


 もっと大きなものが。


 動いている。


 崩れるか。


 それとも、耐えるか。


 分岐点は。


 もう、始まっている。



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