第67話 「防衛戦」
来る。
音が変わる。
足音。
数。
近い。
「……構えろ」
白峰の声。
全員が動きを止める。
集中する。
そして。
影が現れる。
入口の外。
群れ。
数。
多い。
「……っ」
誰かが息を呑む。
無理もない。
今までで一番多い。
「……落ち着け」
小さく言う。
「やることは同じだ」
その一言。
少しだけ。
空気が整う。
「……来るぞ!」
蓮斗が叫ぶ。
影が動く。
一斉に。
速い。
今までよりも。
「……前出るな!」
叫ぶ。
ラインを守る。
絶対に崩さない。
それが。
最優先。
「……来た!」
接触。
ぶつかる。
衝撃。
重い。
「……くそっ!」
蓮斗が押し返す。
玲奈が斬る。
ぴーちゃんが光る。
「……まもる!!」
削る。
一体ずつ。
確実に。
でも。
数が多い。
押される。
じわじわと。
「……数減らねぇ!」
蓮斗が叫ぶ。
「焦るな!」
返す。
削れている。
確実に。
でも。
向こうも止まらない。
「……右、薄い!」
見張りの声。
すぐに動く。
玲奈がカバーに入る。
間に合う。
ギリギリで。
「……いいぞ!」
白峰が言う。
連携が機能している。
崩れていない。
それが。
今の強さだった。
でも。
その時。
「……っ!」
一体。
速い。
明らかに違う。
動きが。
「……速いの来た!」
反応する。
でも。
ギリギリ。
届く前に。
ぴーちゃんが光る。
「……とめる!」
動きが鈍る。
一瞬。
その隙に。
叩く。
倒す。
「……助かった!」
蓮斗が言う。
でも。
分かる。
変わってきている。
敵も。
進化している。
「……長くは持たない」
白峰が言う。
その通りだった。
押し続けられれば。
崩れる。
いつか。
「……でも」
前を見る。
後ろには。
守る人たち。
逃げ場はない。
なら。
やることは一つ。
「……ここで止める」
強く言う。
全員が頷く。
覚悟が揃う。
もう。
迷いはない。
削る。
押し返す。
耐える。
それを。
繰り返す。
時間が過ぎる。
どれくらいか分からない。
でも。
確実に。
減っている。
影が。
少しずつ。
「……いける」
誰かが呟く。
その一言。
全員に伝わる。
いける。
守れる。
この場所は。
崩れない。
俺たちがいる限り。
だから。
止まらない。
最後まで。
守り切る。
それが。
俺たちの戦いだった。
守る戦いは、終わらない。
でも。
ここは、絶対に壊させない。
その意思が。
全員を繋いでいた。




