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第50話 「世界が変わる日」

 戻る。


 急ぐ。


 足は重い。


 でも。


 止まらない。


「……急げ!」


 蓮斗の声。


 全員が走る。


 ダンジョンへ。


 拠点へ。


 守る場所へ。


 その時。


 空気が、止まる。


「……っ」


 玲奈が止まる。


 ぴーちゃんが、強く震える。


「……きた」


 次の瞬間。


 世界が、静止する。


 音が消える。


 風が止まる。


 時間が、止まったみたいに。


 そして。


【全対象へ通達】


 声。


 今までとは違う。


 はっきりと。


 世界中に響く。


【ダンジョンを正式に開放】


【攻略権限を全人類に付与】


 その一言。


 世界が変わる。


【生存圏の再定義を開始】


 意味が分からない。


 でも。


 本能で分かる。


 まずい。


【未保護対象の排除を許可】


 空気が凍る。


「……は?」


 蓮斗が声を出す。


 でも。


 止まらない。


【ダンジョン内を安全領域と認定】


【外部を非安全領域へ移行】


 その瞬間。


 世界が、戻る。


 音が戻る。


 風が動く。


 でも。


 “違う”。


「……おい」


 蓮斗が言う。


「これ……」


 遠くで。


 音がする。


 悲鳴。


 叫び声。


 そして。


 影。


 地上に。


 出てきている。


「……嘘だろ」


 白峰が言う。


「外部領域の変質を確認」


 玲奈が、低く言う。


「……あぶない」


 ぴーちゃんが、強く震える。


「……いや」


 祖父が言う。


「始まったな」


 その一言。


 全員が理解する。


 さっきまでとは違う。


 もう。


 戻れない。


 世界そのものが。


 変わった。


「……急げ!」


 叫ぶ。


 走る。


 ダンジョンへ。


 守る場所へ。


 まだ。


 間に合う。


 まだ。


 全員を守れる。


 だから。


 走る。


 限界を越えて。


 その先へ。


 その時。


 遠くで。


 爆発音。


 銃声。


 叫び。


 混乱。


 崩壊。


 世界が。


 壊れていく。


 でも。


 俺たちは。


 止まらない。


 守るために。


 選んだものを。


 全部。


 背負うために。


 その覚悟があるから。


 足は止まらない。


 世界が変わった。


 そして。


 もう元には戻らない。


 それでも。


 進む。


 守るために。


 この世界で。


 生きるために。


 ――ここからが、本当の始まりだった。



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