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ダンジョンのある世界で生きる  作者: 竜太郎


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430/451

第430話「東京の軍靴」

夜。

関越自動車道、群馬県境付近。


数十台の大型軍用トラックが、ライトを消したまま、暗闇の高速道路を北へと進んでいた。


東京、神城勢力本部の直轄部隊。

彼らの装備は、地方の自衛隊とは比較にならないほど近代的であり、その目的は「群馬管区の強制管理」だった。

世界断面の数値が完全に硬化した今、彼らは一刻も早く神城悠真の身柄を拘束し、システムの主導権を握ろうとしていた。


「群馬の白影に動きはありません」

先頭の指揮車内で、オペレーターが報告する。


「黒崎の老人が、何か仕掛けてくる可能性は?」

隊長が冷たい目を前方に向けながら尋ねた。


「観測データ上は、拠点の兵力に移動の兆候はありません。彼らは、自衛隊の撤退を受けて完全に孤立しています」


「フン、所詮は田舎の避難民の集まりだ」

隊長は無線機を手に取った。

「世界を救うという大義の前に、老人の頑迷な思想など無価値だ。抵抗する者はすべて排除し、神城悠真を確保しろ。自らの勢力の勝利を確実にするのだ」


彼らは、強敵を連続消費し、世界を征服する側の思想に完全に染まっていた。

主人公が万能化を拒否し、王になることを避けているのに対し、彼らの欲望は世界の破滅を早めていることに気づいていない。

軍靴の音が、静止した群馬の夜を確実に踏みつぶそうとしていた。

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