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ダンジョンのある世界で生きる  作者: 竜太郎


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428/451

第428話「断面の硬化」

夕方。

観測班の部屋。


プリンターから吐き出される世界断面のグラフに、新しい変化が現れていた。


「小波の振動が、完全に停止しました」

担当者が画面を見つめたまま、驚きの声を上げた。

「上昇でも下降でもありません。数値が、これまでの一時的な基準値よりさらに低い位置で、完全に一本の『硬い直線』に固定されています」


世界断面の連動ルールに基づく、一定周期の標準的な動きを超えた現象。

深部が悠真の入力を受け入れたことで、システム全体が一時的な「硬化状態」に入ったことを示していた。


白峰蓮が地下から戻り、泥のついた上着を脱ぎながら言った。

「想定通りだ。隔離装置が負荷を均等に分散し、外圧に対して最大の防御姿勢をとっている」


「東京や九州の数値も、同じ直線になっていますね」


「ああ」

蓮は自分のファイルをめくった。

「彼らはこの硬化を、群馬が完全に世界を掌握した証拠だと見なすだろう。そして、恐怖のあまりに直接介入を急ぐはずだ。世界が勝手に動くことに耐えられない凡俗たちの、典型的な反応だ」


解決を急がず、段階的な過程を重視する。

その生活維持の思想を持たない者たちにとって、この静寂は最大の脅威でしかなかった。

蓮はペンを取り、新しい直線の上に最新の状況を静かに書き加えた。

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