第425話「二つの機械」
昼。
深部区域、隔離装置の前。
青い光の海が、再び四人の全身を包み込んだ。
壁の表面には、前回の降下時に残していった古い無線機が、青い半透明の物質に完全に飲み込まれた状態で埋まっていた。
その周囲の光のリズムは、まるで呼吸をするように一定の周期で明滅している。
悠真は一歩、壁に近づいた。
ポケットから、二台目の新しい無線機を取り出す。
「ぴーちゃん、始めるぞ」
悠真が肩の上を指先で突いた。
ぴーちゃんは小さな頭を縦に振り、壁の最も濃い青の部分をじっと見つめた。
「あっちも、まってる。つぎの、おはなし」
悠真は、二台目の無線機を最初の一台の真横に押し当てた。
手のひらを通じて、壁の冷たい感触が腕全体へと伝わってくる。
「俺たちは、ここに留まる」
悠真は頭の中で、その意思を強く念じた。
「東京が攻めてきても、世界がどれだけ歪んでも、俺たちはこの場所で生きていく。だから、お前も耐えてくれ」
その瞬間、二台の無線機の隙間から、これまでとは違う鋭い青い光の筋が走った。
白峰蓮のペンが、記録紙の上で激しく音を立てる。
「発光強度の再上昇。しかし、暴走ではない。これは、装置の内部構造が新しい接続を確立しようとしている動きです」
蓮の声が、青い光の中に淡々と響いた。




