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ダンジョンのある世界で生きる  作者: 竜太郎


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424/451

第424話「三度目の降下路」

昼。

地下トンネル、第二中継所。


四人は、暗闇の奥へと続く錆びたレールの上を歩いていた。


懐中電灯の光が、湿ったコンクリートの床を白く浮き上がらせる。

しばらくぶりの地下は、地上の喧騒が嘘のように静まり返っていた。

だが、白峰蓮が持つ計器の針は、微小な「小波」の振動を今も規則正しく刻み続けていた。


「東京が動いたな」

蓮斗が先頭で、足元の瓦礫を退けながら言った。


「ああ」

悠真は後ろに続きながら、ポケットの二台の無線機を確かめた。

「地上がどうなろうと、俺たちのやるべきことは変わらない。地下の壁を、もっと深く馴染ませるだけだ」


「分かってる」

蓮斗はそれ以上言わなかった。


彼らは世界を救う英雄ではない。

ただ、明日も人が生きるための枠組みを維持するだけだ。

事態の急速な決着を避け、過程を重視する移動が暗闇の中で続いていく。


白峰蓮は、歩きながらノートに文字を書き連ねていた。

「温度、振動のリズム、すべてが前回の接触後の値を維持している。深部は、人間の意思を受け入れた状態で安定している」


「でも、すこし苦しそう」

玲奈が目を閉じたまま、静かに言った。

「東京の人が怒ってるのが、あの壁にも伝わってるみたい。世界はぜんぶ、繋がっているから」


四人の足音が、さらに深い暗闇の奥へと吸い込まれていった。

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