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ダンジョンのある世界で生きる  作者: 竜太郎


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415/451

第415話「玲奈の共鳴」

夜。

神城家の古い自室。


玲奈はベッドの上で、膝を抱えてじっとしていた。


部屋の明かりは消してある。

窓の外から差し込む白影の青い光が、彼女の細い指先を染めていた。

地下での接触以降、彼女の耳の奥には、常に微かな振動音が残るようになっていた。


「れな、ねむれない?」

ぴーちゃんが、枕元から小さな顔をのぞかせた。


「ううん、大丈夫」

玲奈は静かに目を閉じた。

「深部が、何かを思い出そうとしてるみたい」


「おもいだす?」


「ええ」

玲奈は自分の胸に手を当てた。

「私たちが忘れてしまった、遠い昔の人の名前とか。そういうものを、あの装置はずっと預かってくれていたんだと思う」


それは恐怖の感情ではなく、気の遠くなるような時間の堆積だった。

世界病という現象の正体を知った今、玲奈はもう白影を恐れてはいなかった。

それは世界を壊すための怪物ではなく、壊れないように耐えている装置の悲鳴なのだ。


「悠真に、伝える?」

ぴーちゃんが聞いた。


「ううん、悠真はもう知ってるわ」

玲奈は目を開け、窓の外の影を見た。

「だからあの人は、王にもならずに、ただここにいるのよ」


静かな圧迫感が、夜の部屋を包み込んでいた。

物語は急がず、段階的に進行していく。

その冷たい膜の中で、玲奈は再び静かに息を吸い込んだ。

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