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第407話「東京の焦燥」
深夜。
東京、神城勢力本部の作戦室。
大型モニターに映し出された全国の世界断面データが、微かに波打っていた。
「この小波は何だ」
幹部が、観測員を厳しく問い詰めた。
「群馬での数値の変動と完全に同期している。やはり、あの拠点がシステムの制御権を握っているのではないか」
彼らにとって、この連動性は恐怖でしかなかった。
自分たちがどれだけ兵力を集め、国家侵食のステップを食い止めようとしても、すべての鍵は群馬の片田舎にいる一人の青年の手のひらにある。
「黒崎恒一からは、こちらの要求に対する返答はありません」
秘書が冷淡に告げる。
「あの老い損ないが……」
幹部が机を叩いた。
「世界を加速させろ。強敵を連続消費してでも、我が管区の深部反応を強制的に上昇させる。群馬の制御を上回る出力を叩き出すのだ」
主人公が万能化を拒否し、支配を避けているのに対し、東京の人間たちはその万能の力を自ら掴み取ろうとしていた。
世界は彼らの意志に関係なく動いている。
その焦燥の火が、東京の夜を静かに浸食し始めていた。




