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ダンジョンのある世界で生きる  作者: 竜太郎


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406/451

第406話「蓮斗の盾」

夜。

中継所の通路。


蓮斗は、暗闇の向こうに向けて懐中電灯の光を固定していた。


悠真が壁との接触を終えるまでの間、彼の仕事は周囲の安全を確保することだけだ。

地味で、誰にも知られない仕事。

だが、彼がここに立っているからこそ、悠真は安心して背中を壁に向けることができる。


「変化なし、か」

蓮斗は呟き、光の向きを少し変えた。


足元のコンクリートには、新しく発生した細かいひび割れがいくつか見られた。

深部の圧力が変わった影響が、ここにも及んでいる。


「蓮斗、終わったぞ」

悠真が奥から歩いてきた。

その顔には、記憶の洪水による疲労が色濃く滲んでいた。


「分かった。戻るぞ」

蓮斗は先頭に立ち、再び歩き出した。


「悪かったな、いつも待たせて」


「気にするな」

蓮斗は振り返らずに言った。

「お前が王にならないって言うなら、俺たちの仕事はこれだけだ。誰かが転ばないように、足元を照らす。大層な英雄譚より、俺にはこっちの方が性に合ってる」


レールの響く規則的な音が、二人の帰還の道を静かに満たしていった。

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