表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダンジョンのある世界で生きる  作者: 竜太郎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
404/451

第404話「断面の小波」

夕方。

観測班の部屋。


プリンターの出力紙が、微かに波打ちながら吐き出されていた。


小波さざなみが発生しています」

担当者が画面のグラフを指さした。

「大きな上昇ではありません。ですが、群馬の地下での接触に合わせて、全国の観測所の基礎値が数パーセントだけ上下に振動しています」


世界断面のルールにある、二日ごとの標準的な動き。

隔離装置が、悠真の入力を受け入れて、システム全体の圧力を再調整している証拠だった。


白峰蓮が地下から戻り、自分の記録紙を机に置いた。

「問題ない。想定内の圧力分配だ」


「東京や九州でも、この小波は観測されているはずですね」


「ああ」

蓮は自分のノートを開いた。

「彼らはこれを、新しい攻撃の予兆だと誤認するだろう。そして、無駄な防衛線を敷く。世界が勝手に動くことに恐怖しているからだ」


人間は、分からないものに名前をつけ、敵と見なすことでしか安心できない。

だが、この紙の上に刻まれているのは、ただの現象の推移だ。

解決を急がず、崩壊を遅らせる。

その生活維持の思想が、蓮の書く数字の一一に完璧に溶け込んでいた。


「記録を継続しろ」

蓮の静かな指示が、部屋の中に響いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ