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ダンジョンのある世界で生きる  作者: 竜太郎


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396/451

第396話「ロシアの壁」

早朝。

ロシア管区、極寒の荒野。


グラディオスは、凍りついた隔離装置の前に一人で立っていた。


彼の足元には、数日前に倒したはずの巨大な影の残骸が、黒い氷となって転がっていた。

強敵を連続消費する。

それが彼の、世界を救うための「思想違い」のアプローチだった。


「群馬の均衡者め」

グラディオスは、手袋をはめた手で壁を強く叩いた。

「お前が世界を現状維持のまま腐らせるというのなら、私はすべての魔王を屠り、この装置のシステムを強制的に書き換える」


彼の周囲には、圧倒的な「静かな圧」が漂っていた。

彼に従う兵士たちは、その強大すぎる背中を、畏怖の目で見つめることしかできない。


魔王は支配者ではない。管理者である。

その真相を、グラディオスもまた独自のルートで掴みつつあった。

だからこそ、彼は管理者を排除し、自分がその代わりになろうとしていた。

主人公が拠点型として王にならないのに対し、彼は征服者としての道を歩んでいる。


「神城悠真、長くは持たんぞ、お前の日常など」


グラディオスの呟きは、激しい吹雪の中にかき消されていった。

世界の終着点へ向けて、もう一つの巨大な歯車が、静かに回り始めていた。

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