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第396話「ロシアの壁」
早朝。
ロシア管区、極寒の荒野。
グラディオスは、凍りついた隔離装置の前に一人で立っていた。
彼の足元には、数日前に倒したはずの巨大な影の残骸が、黒い氷となって転がっていた。
強敵を連続消費する。
それが彼の、世界を救うための「思想違い」のアプローチだった。
「群馬の均衡者め」
グラディオスは、手袋をはめた手で壁を強く叩いた。
「お前が世界を現状維持のまま腐らせるというのなら、私はすべての魔王を屠り、この装置のシステムを強制的に書き換える」
彼の周囲には、圧倒的な「静かな圧」が漂っていた。
彼に従う兵士たちは、その強大すぎる背中を、畏怖の目で見つめることしかできない。
魔王は支配者ではない。管理者である。
その真相を、グラディオスもまた独自のルートで掴みつつあった。
だからこそ、彼は管理者を排除し、自分がその代わりになろうとしていた。
主人公が拠点型として王にならないのに対し、彼は征服者としての道を歩んでいる。
「神城悠真、長くは持たんぞ、お前の日常など」
グラディオスの呟きは、激しい吹雪の中にかき消されていった。
世界の終着点へ向けて、もう一つの巨大な歯車が、静かに回り始めていた。




