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ダンジョンのある世界で生きる  作者: 竜太郎


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388/451

第388話「観測所の確証」

昼。

拠点の観測班。


白峰蓮は、四枚のグラフを机の上に並べていた。


群馬、東京、九州、そして北海道。

昨日から今朝にかけての数値の動きが、一本の美しい直線となって重なっている。

偶然ではない。世界断面の連動は、今や完全な確証に変わっていた。


「誤差がゼロだ」

担当者が画面を見つめたまま呟いた。

「どこか一箇所が動けば全体が揺れる。逆に言えば、一箇所を止めれば全体が持ちこたえる」


「持ちこたえているだけだ」

蓮は冷徹に言葉を返した。


「それでも、今まではそれすら出来なかった」


「それは、これまでの人間が『戦う』か『逃げる』かしか選ばなかったからだ」

蓮はペンのキャップを閉めた。

「神城悠真がやったのは、そのどちらでもない。ただ、そこに留まるという意思表示だ」


隔離装置は人类を守るために作られた。

その本質を理解したデータが、紙の上に黒いインクで刻まれている。

これ以上の加速もなければ、劇的な解決もない。


「次の降下はいつになりますか」

担当者が聞く。


「悠真の判断に任せる」

蓮はファイルを閉じた。

「私たちはただ、その結果として現れる数字を、一文字も変えずに記録するだけだ」

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