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第388話「観測所の確証」
昼。
拠点の観測班。
白峰蓮は、四枚のグラフを机の上に並べていた。
群馬、東京、九州、そして北海道。
昨日から今朝にかけての数値の動きが、一本の美しい直線となって重なっている。
偶然ではない。世界断面の連動は、今や完全な確証に変わっていた。
「誤差がゼロだ」
担当者が画面を見つめたまま呟いた。
「どこか一箇所が動けば全体が揺れる。逆に言えば、一箇所を止めれば全体が持ちこたえる」
「持ちこたえているだけだ」
蓮は冷徹に言葉を返した。
「それでも、今まではそれすら出来なかった」
「それは、これまでの人間が『戦う』か『逃げる』かしか選ばなかったからだ」
蓮はペンのキャップを閉めた。
「神城悠真がやったのは、そのどちらでもない。ただ、そこに留まるという意思表示だ」
隔離装置は人类を守るために作られた。
その本質を理解したデータが、紙の上に黒いインクで刻まれている。
これ以上の加速もなければ、劇的な解決もない。
「次の降下はいつになりますか」
担当者が聞く。
「悠真の判断に任せる」
蓮はファイルを閉じた。
「私たちはただ、その結果として現れる数字を、一文字も変えずに記録するだけだ」




