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ダンジョンのある世界で生きる  作者: 竜太郎


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382/451

第382話「グラディオスの影」

深夜。

ロシア管区の境界。


極寒の吹雪の中に、一つの巨大な影が立っていた。


グラディオス。

中盤最大の壁であり、いずれ魔王化する運命を持つ男。

彼の周囲の深部反応は、群馬や東京とは全く異なる異常な数値を叩き出していた。


彼は独自の思想で世界を守ろうとしていた。

崩壊を防ぐという目的は悠真と同じである。

だが、そのアプローチは根本的に違っていた。

維持ではなく、強制的な統制。それが彼の選んだ道だった。


「世界が静止しているな」

グラディオスは、凍りついた隔離装置の表面に触れながら呟いた。


彼の背後には、彼に従う勢力の兵士たちが沈黙したまま控えていた。

誰も彼の言葉に返事はしない。

彼の存在そのものが、圧倒的な「圧」となって周囲を支配していたからだ。


「神城悠真。お前がその生ぬるい維持を選ぶというのなら」

グラディオスの目が、暗闇の中で微かに赤く光った。

「私は私の方法で、この装置のすべてを掌握する」


吹雪が彼の姿を覆い隠していく。

英雄化も征服も望まない主人公に対し、世界のもう一つの極として存在する男の歩みは、知らない間に次の段階へと進んでいた。

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