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第382話「グラディオスの影」
深夜。
ロシア管区の境界。
極寒の吹雪の中に、一つの巨大な影が立っていた。
グラディオス。
中盤最大の壁であり、いずれ魔王化する運命を持つ男。
彼の周囲の深部反応は、群馬や東京とは全く異なる異常な数値を叩き出していた。
彼は独自の思想で世界を守ろうとしていた。
崩壊を防ぐという目的は悠真と同じである。
だが、そのアプローチは根本的に違っていた。
維持ではなく、強制的な統制。それが彼の選んだ道だった。
「世界が静止しているな」
グラディオスは、凍りついた隔離装置の表面に触れながら呟いた。
彼の背後には、彼に従う勢力の兵士たちが沈黙したまま控えていた。
誰も彼の言葉に返事はしない。
彼の存在そのものが、圧倒的な「圧」となって周囲を支配していたからだ。
「神城悠真。お前がその生ぬるい維持を選ぶというのなら」
グラディオスの目が、暗闇の中で微かに赤く光った。
「私は私の方法で、この装置のすべてを掌握する」
吹雪が彼の姿を覆い隠していく。
英雄化も征服も望まない主人公に対し、世界のもう一つの極として存在する男の歩みは、知らない間に次の段階へと進んでいた。




