表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダンジョンのある世界で生きる  作者: 竜太郎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
381/451

第381話「白峰の記録・追記」

深夜。

研究室。


白峰蓮は、新しい記録紙の束を古い革のファイルに綴じ込んでいた。


インクの匂いが部屋に充満している。

第375話からここまでの世界各地の反応。

すべてが彼の正確な筆致で、グラフと数字によって整理されていた。


「断面の連動性に乱れなし」

蓮は呟きながら、ペンのインクを補充した。


彼が書くのは、誰かのためではない。

未来の人間が、同じ過ちを繰り返さないための判断材料。

それだけが、この三か月間彼を突き動かしてきた唯一の動機だった。


「蓮、まだやってるのか」

蓮斗が通りがかりにドアを叩いた。


「もう終わる」

蓮は視線をノートから外さずに答えた。

「現在の安定期は、隔離装置の許容量の上限で発生している。これを維持するためには、次の接触での正確なデータが不可欠だ」


「無理はするなよ」


「無理ではない。これは必要な手順だ」


蓮斗が去った後、蓮は最後の文字を書き終えた。

客観的な事実だけが並ぶページ。

そこには人間の感情を挟む余地はない。

ただ、世界が壊れないように見守る側の記録が、また一頁、確かに積み上げられた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ