表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダンジョンのある世界で生きる  作者: 竜太郎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
372/451

第372話「東京からの報せ」

昼。

通信班の部屋。


古い無線機が、ノイズ混じりの音を吐き出していた。


「――こちら、東京。神城勢力本部」

スピーカーから聞こえる声は、どこか遠く、冷たい響きを持っていた。群馬の拠点とは違い、東京は常に政治と権力の中心地として機能し続けている。侵食の恐怖の中でも、彼らの関心は勢力の拡大と、他地域への影響力維持に向いていた。


悠真がマイクを取る。

「群馬、神城だ」

「現在のそちらの状況を確認したい。観測データによると、昨夜、群馬管区の深部反応に一時的な異常値が記録されている。白影の拡大も停止したようだが、何があった」


東京の問いは、常に結果を求める。

悠真は、机の上に置かれた蓮の記録を見つめた。恒一の言葉が頭をよぎる。事実はまだ伏せるべきだ。


「地下の調査を行った」

悠真は感情を交えずに答えた。

「白影の停止は一時的な均衡状態によるものと推測される。現在、再拡大の兆候はない。監視を継続する」

「……そうか。東京でも同様の静止現象が観測されている。九州でもだ。世界規模での地殻変動の可能性がある。引き続き、異常があればすぐに報告せよ」


通信が切れた。ザザ、というノイズだけが残る。

世界は勝手に動いている。東京の人間たちも、自分たちの物差しでこの現象を解釈し、次の手を考えている。世界が壊れないように見守る者と、それを動かそうとする者。その距離は、地下の深部よりも遠く感じられた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ