表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダンジョンのある世界で生きる  作者: 竜太郎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
367/451

第367話「通信の試み」

深夜。

地下。

青い光の中。


無線機を挟んで、悠真の手が壁に触れた。


その瞬間、頭の中に音が流れ込んできた。言葉ではない。それは古い機械が発するような、規則的な電子音の連なりに似ていた。ツー、トン、ツー。一定の間隔を置いて繰り返されるその響きは、何かを求めているようでもあり、あるいは自分の存在をただ主張しているようでもあった。


ぴーちゃんが悠真の髪を小さく引っぱる。

「きこえる」

短い声。

「よんでる。こっちをみてる」


悠真は目を閉じた。頭の中の音に向き合う。

自分たちがここにいること。戦いに来たのではないこと。壊すために来たのでもないこと。ただ、この場所で生きていくために、あなたの状態を維持したいということ。その意思を、手のひらを通じて無線機の金属の枠に込める。言葉を介さない思考の伝達。それが深部に届いているのか、悠真には確信が持てなかった。


だが、壁の青い光が、無線機の隙間から漏れ出すようにして激しく明滅し始めた。

白峰蓮のペンが、記録紙の上で激しく躍る。

「発光周期に明確な規則性が発生。これは……」

蓮の言葉が途切れる。


壁から伝わってくる振動が、悠真の腕を伝って体全体を揺らしていた。それは痛みを伴わない、だが決して拒絶できない巨大な存在の足音のようだった。深部は、人間の持ち込んだ小さな道具を通じて、確かに何かを受け取ろうとしていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ