表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダンジョンのある世界で生きる  作者: 竜太郎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
357/451

第357話「地上に出る」

早朝。

地下の扉の前。


四人が外に出た。


朝の空気が体を包む。冷たい。白い息が出る。雪煙が舞っている。蒼月残存区域は昨日と変わらない光景だった。外壁布が揺れている。遠くで鳥の声がする。補修班が道具を持ち始めている。配給班が朝の準備をしている。生活は続いていた。地下で何が起きていても、地上では朝が来る。世界はそういう仕組みで動いていた。その当たり前が、今日は昨日より少し違う意味を持って見えた。


悠真は空を見上げる。白影がある。北と東に。だが昨日より輪郭が少しだけ落ち着いている気がした。揺れが小さい。広がりが止まっている。気のせいかもしれない。それでも、地下で何かに触れたことがこちらにも影響を与えているとしたら。その可能性を、今日初めて本気で考えていた。一時的なものか、持続するものかは分からない。だがゼロではないかもしれないという感触だけが、体に残っていた。それが今日の一歩目だと思った。


蓮斗が大きく息を吸う。

「地上の空気はいいな」

短く言う。

玲奈が空を見る。

目を細める。

何かを感じ取ろうとして、少し考えて、やめる。

今は休む時間だ、と判断したように見えた。


感じ続けることは消耗する。昨日の地下で、玲奈はその限界を体感した。オンとオフを切り替えられるようになった。それがこの数か月での玲奈の変化だった。悠真はその横顔を見ながら、自分もまだ学んでいる途中だと思った。


白峰蓮が記録紙を確認する。全部揃っている。


ぴーちゃんが言う。

「帰ってきた」

区域の朝が始まっていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ