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第350話「均衡者の選択」
深夜。
地下。
青く光る壁の前。
四人は動いていなかった。悠真が壁を見続ける。ぴーちゃんが言った言葉が頭にある。挨拶している。気づいている。
それは、深部に意思があることを意味している。
魔王は管理者だという記憶が浮かぶ。支配者ではない。管理者。方法は違えど、世界崩壊を防ごうとしている存在。その管理が限界を迎えつつある。だから白影が出た。だから影が動いた。だから深部が呼吸し始めた。全部が繋がっていた。
「どうする」
蓮斗が静かに聞く。返事を急かすわけではない。ただ聞く。
悠真は少し考えてから言う。
「触れる」
短く。
蓮斗が頷く。玲奈が目を開ける。白峰蓮が記録紙を構える。
悠真はゆっくりと壁に両手を当てる。青い光が少し強くなる。何かが来る気がした。拒絶ではない。問いかけに近い。お前は何者か。なぜここに来た。
悠真は答えを持っていた。
均衡者だ。
維持するために来た。
光が一瞬強くなる。
そして。
静かになった。
地下は深く。
何かが、動き始めていた。




