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第349話「地下で見たもの」
夜。
地下トンネル。
悠真たちは進み続けていた。レールを歩いて一時間以上経過している。
懐中電灯の光の中に、変化が見えてきた。壁の色が変わっている。コンクリートの灰色から、青みがかった色へ。わずかに発光しているように見えた。
蓮斗が壁を触る。
「温かい」
短く言う。
「地上より少し温かい」
玲奈が止まる。目を閉じる。長い沈黙。
「……ここだ」
小さい声。
「深部に一番近い場所だ」
白峰蓮が懐中電灯で壁を丁寧に照らす。発光は微弱だが確実にある。記録紙に書く。
「侵食と同じ原理かもしれない。ただし方向が違う。侵食は外へ広がろうとする。これは逆に、内側へ向かってる」
悠真が壁に手を当てる。温かい。確かに。そして、何かが伝わってくるような感覚がある。言葉ではない。感情でもない。ただ、何か大きなものがすぐそこにいるような。
ぴーちゃんが悠真の肩でじっとしている。
「挨拶してる」
小さい声。
「こっちに気づいてる」
全員が壁を見た。
壁は静かに光を放ち続けていた。




