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第341話「蒼月の承認」
昼前。
蒼月レインの部屋。
悠真は地下に降りる計画を蒼月に伝えていた。蒼月は静かに聞いていた。話が終わっても、すぐには答えない。窓の外を見る。白影。北と東。そこにある。しばらくして口を開く。
「地下列車の記録は全部白峰さんに渡してある。観測所まで続いているかどうかは分からない。途中で線路が途切れてる可能性もある」
悠真が頷く。
蒼月が続ける。
「この区域の人間は誰も地下へ降りたことがない。侵食が始まってから封鎖した。だからこそ、何があるか分からない」
悠真は断られることを想定していた。だが。
蒼月は頷いた。
「行ってください」
静かに言う。
「この区域だけで判断できることに限界がある。あなたたちが均衡者なら、地下は必ず必要になる場所だ」
悠真が蒼月を見る。
この人は最初から分かっていたのかもしれない。ただ、時を待っていただけで。
「ありがとうございます」
悠真が静かに言う。
蒼月が小さく頷いた。
窓の外で、白影は変わらずそこにあった。




