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ダンジョンのある世界で生きる  作者: 竜太郎


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339/451

第339話「夜明けの決断」

夜明け。

蒼月残存区域。

白影はまだ消えていなかった。


北と東、二か所から浮かび上がる白い靄は、朝の光の中でもはっきりと見えた。消える気配がない。昨日より輪郭が少し鮮明になっている。静かに、しかし確実に変化していた。


悠真は外壁の上に立ったまま北を見ていた。昨夜から考え続けていたことが、冷たい朝の空気の中でようやく言葉になった。このままここで待ち続けても、何かが来るだけになる。白影は広がり、深部反応は上昇し、玲奈は感知の限界を迎えた。どれも同じ方向を指していた。動くべきだという確信が、ゆっくりと固まっていた。


ぴーちゃんが肩の上で静かに言う。

「決まった?」

悠真が頷く。

「動く」

短く答える。


その時、白峰蓮が外壁へ上がってくる。昨夜書いた記録紙を持っていた。

「地下の音の記録を見た。地下列車の線路方向と一致してる」

静かな声。


悠真が蓮を見る。

地下列車。深部への直接アクセス。それが次の一手になるかもしれなかった。


夜明けの光が区域全体を照らし始める。

新しい一日が、静かに動き出した。

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