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第337話「白影の夜」
深夜。
外壁上。
見張り班が立っていた。
白影は夜でも見える。
暗い空に。
白く浮かんでいる。
二か所。
北と東。
見張りの一人が呟く。
「増えてないな」
静かな声。
もう一人が答える。
「増えてないが消えてもない」
短く。
沈黙。
風が吹く。
冷たい。
その時。
遠くで音がする。
低い音。
地面から来るような音。
二人が止まる。
耳を澄ます。
もう一度。
低い音。
「地下か」
一人が言う。
「白峰さんが言ってた地下列車か」
もう一人が首を振る。
「分からない」
短く。
「だが記録しておく」
二人は記録紙に書く。
時刻。
方向。
音の種類。
全部書く。
夜の外壁で。
記録は続いていた。
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