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ダンジョンのある世界で生きる  作者: 竜太郎


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337/451

第337話「白影の夜」

深夜。


外壁上。


見張り班が立っていた。


白影は夜でも見える。


暗い空に。


白く浮かんでいる。


二か所。


北と東。


見張りの一人が呟く。


「増えてないな」


静かな声。


もう一人が答える。


「増えてないが消えてもない」


短く。


沈黙。


風が吹く。


冷たい。


その時。


遠くで音がする。


低い音。


地面から来るような音。


二人が止まる。


耳を澄ます。


もう一度。


低い音。


「地下か」


一人が言う。


「白峰さんが言ってた地下列車か」


もう一人が首を振る。


「分からない」


短く。


「だが記録しておく」


二人は記録紙に書く。


時刻。


方向。


音の種類。


全部書く。


夜の外壁で。


記録は続いていた。


(次話へ)

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