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第336話「配給の夜」
夜。
配給区画。
今日もスープだった。
温かい。
それだけで十分だった。
人々が集まっている。
老人。
子ども。
補修班。
見張り班。
皆ここへ来る。
その時。
老人が話し始める。
昔。
北海道で見たオーロラの話。
子どもたちが聞く。
「それって白影と違うの」
小さな女の子が聞く。
老人が少し考える。
「違う」
短く。
「オーロラはきれいだ」
続ける。
「白影は……」
老人が言葉を止める。
少し考えて。
「静かだな」
短く言う。
「怖くはない。静かだ」
子どもたちが少し考える。
「静かなのに怖いの?」
男の子が聞く。
老人が笑う。
「そういうこともある」
短く。
「静かな方が怖い時もある」
子どもたちが頷く。
よく分からないが。
頷く。
その光景を見ながら。
美月は小さく笑った。
灯りは続いていた。
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