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ダンジョンのある世界で生きる  作者: 竜太郎


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327/451

第327話「白影の二日目」

朝。


蒼月残存区域。


白影はまだあった。


昨日と同じ場所に。


動かない。


消えない。


ただそこにある。


補修班が確認する。


見張り班が記録する。


誰も声を上げない。


パニックにならない。


ただ。


見る。


記録する。


続ける。


それがこの区域の強さだった。


悠真は外壁の上から北を見ていた。


白影の向こう。


影はまだいる。


近い。


昨日より近い。


白峰蓮が来る。


「深部反応、また上がった」


静かな声。


「昨日の二倍だ」


悠真が止まる。


二倍。


それが何を意味するか。


玲奈が目を閉じる。


風が吹く。


長い沈黙。


そして。


「……急いでる」


小さい声。


「何かが」


誰も返事をしない。


急いでいる。


その言葉が。


朝の冷たい空気の中に残った。


(次話へ)

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