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第327話「白影の二日目」
朝。
蒼月残存区域。
白影はまだあった。
昨日と同じ場所に。
動かない。
消えない。
ただそこにある。
補修班が確認する。
見張り班が記録する。
誰も声を上げない。
パニックにならない。
ただ。
見る。
記録する。
続ける。
それがこの区域の強さだった。
悠真は外壁の上から北を見ていた。
白影の向こう。
影はまだいる。
近い。
昨日より近い。
白峰蓮が来る。
「深部反応、また上がった」
静かな声。
「昨日の二倍だ」
悠真が止まる。
二倍。
それが何を意味するか。
玲奈が目を閉じる。
風が吹く。
長い沈黙。
そして。
「……急いでる」
小さい声。
「何かが」
誰も返事をしない。
急いでいる。
その言葉が。
朝の冷たい空気の中に残った。
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