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第324話「ぴーちゃんと子どもたち」
昼前。
避難区画。
ぴーちゃんが子どもたちの間にいた。
珍しい光景だった。
いつもは悠真の肩か膝の上にいる。
だが今日は違った。
子どもたちの輪の中で。
じっとしている。
子どもたちも不思議そうに見ている。
小さな男の子が恐る恐る触る。
ぴーちゃんは逃げない。
じっとしている。
男の子が笑う。
「やわらかい」
短く言う。
周囲の子どもたちも笑う。
美月がその光景を見ていた。
ぴーちゃんがこうして子どもたちの側にいるのは初めてだった。
何かを感じているのかもしれない。
そう思った。
その時。
ぴーちゃんが小さく言う。
「あったかい」
子どもたちが笑う。
美月も笑う。
だが。
その言葉が。
何かとの比較に聞こえた。
外の白影と。
この温もりと。
ぴーちゃんは今日。
どちらかを確かめているような気がした。
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