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第322話「それでも続く夜」
夜。
配給区画。
白い灯り。
温かいスープ。
湯気。
人々が集まっていた。
今日も。
一日が終わる。
補修班は疲れている。
見張り班も疲れている。
だが。
皆ここへ来る。
食べるため。
話すため。
生きるため。
その時。
子どもたちが笑っていた。
老人の話を聞いて。
また笑っている。
同じ話。
何度目か分からない話。
それでも笑う。
美月がその光景を見ていた。
昼間の玲奈の言葉が頭にある。
管理していたものの限界。
それが何を意味するか。
まだ分からない。
だが。
この灯りは続いている。
この笑い声は続いている。
その時。
遠く。
カァン。
鐘。
一回。
いつもより低い音だった。
皆が少し止まる。
だが。
また戻る。
食べる。
話す。
笑う。
生きる。
外では何かが動き始めている。
だが。
中では。
今日も生活が続いていた。
北海道は。
まだここにあった。
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